ドローンとAIで橋梁点検計画から調書作成まで一元化、NTT MEが伊那市とシステム開発:スマートメンテナンス
NTT MEは、長野県伊那市と共同で、ドローンやAI、点検アプリケーションを活用し、橋梁の点検計画から調書作成までの業務を一元管理する「橋梁点検システム」を開発した。
NTT MEは2026年9月10日、長野県伊那市と共同で「橋梁(きょうりょう)点検システム」を開発したと発表した。ドローンやAI、点検アプリケーションを活用し、点検計画からドローンでの撮影、AI解析、点検調書の作成までを一元的に管理することで、橋梁点検業務の省人化と標準化を支援する。2026年度から伊那市とシステムの有効性を検証し、活用機会の拡大を図る。
橋梁点検システムは、2023〜2025年度に実施した実証事業の知見を基に開発した。国交省の道路データ連携基盤「xROAD」と連携させた点検計画の策定から、ドローンによる航行撮影支援、システムによる野帳(点検記録)対応、AIによる損傷抽出、帰庁/帰社後の点検調書作成までを一つのシステムで完結。各業務間で発生するデータ連携や資料作成に伴う負担を軽減する。
AIの学習モデルには、NTT MEが設備保守で培ったノウハウを反映した。コンクリートのひび割れや鋼材の腐食を自動検知する他、腐食減肉を推定し、技術者による確認作業の効率化につなげる。UI/UXは、自治体職員や現場技術者との共同検証を基に、専門的なIT知識を持たない利用者でも扱いやすい設計としている。
ドローンの運航では、全国に500人のパイロットを有する体制を活用。災害時の被災状況把握や橋梁管路、鉄塔のインフラ点検で得たノウハウを生かし、中大規模橋梁や難所に位置する橋梁にも対応する。
伊那市は700を超える橋梁を管理し、市職員による対応が難しい橋梁の点検は、建設コンサルタントに委託している。大型の橋梁点検車やロープアクセスが必要な橋梁もあり、高額な費用がかかる場合もあるという。伊那市は、ドローンで撮影した画像の分析にAIを活用することで、橋梁点検業務の効率化や費用負担の軽減、点検事業者の危険な高所作業の削減や高齢化による技術者不足といった構造的な課題の解決にもつながると期待している。
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