下水道管路でドローン2機種「ELIOS 3」「Skydio X10」の飛行検証、NTT東日本グループ初:ドローン
NTTイードローン、NTT-ME、NTT東日本は、神奈川県内の公共下水道施設で、「ELIOS 3」と「Skydio X10」を用いて点検を見据えた屈曲部での安定飛行やAI解析による損傷検出などを検証した。下水道管でドローンを飛行させるのは、NTT東日本グループ初となる。
NTT e-Drone Technology(NTTイードローン)、エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)、NTT東日本 神奈川事業部は、神奈川県内の自治体が管理する公共下水道管路で、ドローン点検の飛行検証を2025年10月20日と10月31日に実施したと2025年11月中旬に公表した。
屈曲部での安定飛行やAI解析による損傷検出を検証
近年、日本各地で下水道管の老朽化を原因とする道路の陥没事故が発生している。2025年1月には埼玉県八潮市で大規模事故が発生し、人的被害や長期復旧を伴う深刻な事態となった。下水道管路の点検の重要性が高まっている中、人による目視点検は、有毒ガス(硫化水素)中毒や酸素欠乏症などの危険や高所での作業負荷が課題となっている。また、カメラロボットなどによる点検も、構造上の制約や流下量などで十分な対応が難しいのが現状だ。
そこで3社は、安全性と効率性を両立する新たな点検方法として、ドローンによる点検が飛行安定性、安全性、効率性、通信環境といった観点から有効に機能するか、多角的な技術検討を行った。当日は実際に点検作業を実施している自治体職員が立ち会い、現場での技術の適用性や点検作業の効率化/有効性を確認。なお、下水道管でドローンを飛行させる取り組みはNTT東日本グループ初という。
実証期間は2025年10月20日と10月31日の2日で、神奈川県内の公共下水道施設として雨水貯留管2カ所、汚水幹線1カ所の計3カ所で検証した。機体は、Flyabilityが開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローン「ELIOS 3」、NTT東日本グループでも点検や防災に活用しているオールラウンドドローン「Skydio X10」を使用した。ELIOS 3は汚水管渠(Φ3000ミリ)、Skydio X10は雨水貯留管(Φ1万ミリ)をそれぞれ点検飛行した。
ドローンで取得したデータは、効率的に損傷箇所を判断するためのサポートツールとしてNTTイードローンが開発し、販売中のAIサービス「eドローンAI」のアルゴリズムを下水道管にも適用させて、損傷箇所を自動判定した。
実証の結果、ELIOS 3では狭あいかつ暗所の下水道管内でも安定飛行し、高輝度LEDライトと高解像度カメラで管内の状況を鮮明に捉えた。
また、独自の電波増幅器「Range Extender」の活用で、従来は難しかった下水道管内の直角に屈曲した構造の箇所を2カ所通過。屈曲部2カ所を含め、直線距離で約150メートル飛行した。
Skydio X10では、前例がほとんどなかった下水道管(雨水管)内で、独自の自律飛行技術で点検飛行や鮮明な映像を撮影することに成功した。
eドローンAIの活用では、軸方向と円周方向に伸びるひび割れを検出。過年度点検調書との比較した場合でも、人の目で確認する場合と遜色ない結果が得られた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ロボット:四足歩行ロボが自律歩行で巡回点検、高速道路工事の現場で有効性を確認 飛島建設
飛島建設は施工管理業務の高度化と効率化を目的に、四足歩行ロボットの自律歩行による巡回点検システムを開発した。
スマートメンテナンス:NTTイードローン、損傷解析AIに鋼材の「腐食深さ」を推定するサービスを追加
NTT e-Drone Technologyは、AI画像解析技術を用いて、鋼材の画像から腐食深さを自動推定するサービスの提供を開始した。
ドローン:ドローン測量レベル4飛行を見据え、中山間地域でレベル3.5飛行の有効性を検証
パーソルビジネスプロセスデザインとアジア航測は共同で、測量分野のドローンレベル4飛行を見据えたレベル3.5飛行の実証実験を実施し、技術的/運用的な有効性を確認した。
積算:建設業界の残土コスト問題を解決 「土量コスト計算機」無料公開、東海エアサービス
東海エアサービスは、建設業の残土運搬や処理コストの見積りを算出する計算ツールを無料公開している。体積を入力するだけで、ダンプ台数や運搬費、処理費といった残土コストを30秒ほどで算出する。
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025:東京メトロのトンネル保守DX ドローン×AI×行動解析で点検効率化と技術継承を実現
老朽化が進む東京メトロの地下鉄で、85%を占めるトンネル。維持管理は急務となっているが、狭小であったり、終電後の1.5〜2時間しか検査できないなど、制約が多い。そこで東京メトロは、iPadアプリによる帳票レス化、非GPSドローンやAIの内製化で点検の効率化、さらに熟練技術者のノウハウを定量化するマルチモーダル分析など、保守DXの実現に向けて取り組んでいる。
スマートメンテナンス:ドラレコの画像から電柱や標識の3Dデータ生成で位置特定、街全体の3D管理が可能に
NTTは、ドライブレコーダー画像から、電柱や標識、街路樹などインフラ設備の位置を特定する技術を確立した。画像から3Dデータを生成し、NTT保有の3Dデータと重ね合わせることで、街中のあらゆるインフラ設備の高精度な位置を特定できる。将来は街全体を3D管理し、3D都市モデルなどと連携した都市計画や防災対策、自動運転、ドローン航路設計などへの活用も見込める。


