侵入検知で建機を止めるデジタルカーテンと、現場を広域を照らす「防爆型テープライト」:メンテナンス・レジリエンス2026(2/2 ページ)
建設現場では、建機の他にもさまざまな設備や道具が扱われている。建設レンタル企業のレントは、建設現場のニーズをすくい取り、独自の視点でオリジナル製品を開発し、現場の効率化や安全性の向上に寄与してきた。「メンテナンス・レジリエンス2026」ではコンセプトを「Blue Solution 〜借りて使って返す〜」と設定し、現場の困りごとを解決して作業効率や安全性を高める製品を紹介した。
「警告」から「停止」へ進化した「レーザーカーテン II」
安全確保のためのもう1つの目玉商品が、NETISにも登録された「レーザーカーテン II」だ。レーザーによって危険区域の境界に見えない壁を作り、危険区域への侵入を察知すると稼働中の建機の動作をストップさせる。
レーザーによって危険エリアを設定し、侵入を検出するシステム自体は以前から存在した。だが、レントのオリジナル製品は、従来の課題だった「設定の難しさ」と「警告の限界」を解決した。
第1の革新ポイントは、ユーザー自身による「簡易的な設置と設定」の実現だ。類似製品では、設置場所を変更するたびにメーカーの技術者を呼び、出張設定を依頼しなければならず、多大な時間とコストを要していた。レーザーカーテンは、ユーザーが現場でタブレットを操作し、検知エリアを自由に作成できる。そのため、工期が頻繁に変化する建設現場でも、柔軟に運用可能だ。
第2の革新ポイントは、建機との連動による「自動停止機能」だ。従来は、センサーが侵入を検知すると音や光で警告を発するのが一般的だった。しかし、建機の稼働中は大きな音が発生するため、警告音が聞き取りにくく、事故を防げないケースも散見された。そこでレントは、高所作業車やバックホウなどの車両本体とレーザーカーテンのシステムを連動させ、危険エリアに侵入した瞬間に「機械を強制的に止める」仕組みを構築した。
バックホウが作業中に誤って、鉄道の線路側に侵入しそうになるなど、事前に設定したラインを越えようとすると自動的に建機の動作が停止する。高所作業車での挟まれ事故や接触事故でも、作業者が周囲の確認を怠っても、システムが物理的に動きを止め、最悪の事態を回避できる。
レーザーカーテンによる建機連動システムは、鉄道近傍工事での線路侵入防止、道路工事の一般車両通行帯へのブーム突出防止など、具体的なリスクシナリオに対して高い効果を発揮する。こうした「物理的な安全の担保」こそが、現在の建設現場が最も必要としているソリューションだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
“大阪・関西万博”会場で実証実験が進行中 風を見える化し、空飛ぶクルマの安全を確保するドップラー・ライダー
上空の風の速さと向きを3次元化するドップラー・ライダーで、空のインフラ構築を目指す、京大発ベンチャーのメトロウェザー。
RC断面修復工事の錆とモルタルを除去する騒音低減の技術を開発、日大や飛島建設など
日本大学、飛島建設、光響、PCLは、鉄筋コンクリート構造物の断面修復工事で錆とモルタルを除去する「LSRシステム」を開発し、鉄道高架橋補修工事に実装した。従来工法と比べて騒音を26%、粉じんを53%低減する。
毎秒200万点の地上型3Dレーザースキャナー最上位機を発売、トプコン
トプコンは、地上型3Dレーザースキャナー最上位機「CR-P1」シリーズを発売した。毎秒200万点のスキャン速度を備え、従来機比で約16倍の高速スキャンが可能だ。
戸田建設など4社がレーザー投影墨出しの「Mechasys」へ出資 量産モデル展開を支援
戸田建設や東急建設など4社は、建設業/製造業向けのレーザーレイアウトシステムを開発するカナダのMechasys(メカシス)へ出資した。Mechasysのシステムが墨出し作業の課題解決につながるとして、日本国内での普及を促す考えだ。
点群とAIを土木の設計や維持管理に応用する最新の技術動向【土木×AI第23回】
連載第23回は、土木領域の設計や施工、維持管理などで活用が広がっている「点群」にスポットを当てます。点群から形状を抽出する方法や施工前後の比較、深層学習を用いた「セマンティックセグメンテーション」で地物を分類する研究などを紹介します。
「見えないものを見る」AIとセンシング技術の可能性【土木×AI第12回】
連載第12回は、AIとセンシング技術を組み合わせて、肉眼では見えないインフラ構造物の内部を調べる新たな手法について解説します。
“借りて返す”から広がるSDGsのレンタルビジネス 空気から水を生む給水機など
「借りて使って返す」。そのシンプルな仕組みを社会課題の解決へと拡張する総合レンタル企業「レント」。メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025では、環境/資源/共生にわたる多彩な製品を出品し、循環型社会に向けたレンタルの新たな可能性を示した。



