戸田建設など4社がレーザー投影墨出しの「Mechasys」へ出資 量産モデル展開を支援:ICT
戸田建設や東急建設など4社は、建設業/製造業向けのレーザーレイアウトシステムを開発するカナダのMechasys(メカシス)へ出資した。Mechasysのシステムが墨出し作業の課題解決につながるとして、日本国内での普及を促す考えだ。
戸田建設や東急建設など4社は2024年1月23日、建設業/製造業向けのレーザーレイアウトシステムを開発するカナダのMechasys(メカシス)へ出資したと発表した。Mechasysのシステムが墨出し作業の課題解決につながるとして、日本国内での普及を促す考えだ。
Mechasysのレーザーレイアウトシステムは、建設現場の床面や天井面、壁面に、原寸大の図面を高精度に投影できる。従来は2人1組で手作業により行っていた内装工事の墨出し作業を効率化する。また、墨出しの精度向上により、許容精度を満たさない作業が原因で発生していた施工の手戻りを削減する。
レーザー投影範囲は1.2〜8.0メートル、誤差は50メートル当たり±1ミリ
Mechasysは2018年に設立したカナダのスタートアップ企業。投影型現実(Projected Reality)の技術を利用したハードウエアと、管理システムの両方を自社開発する。レーザー投影範囲は1.2〜8.0メートル、誤差は50メートル当たり±1ミリで、高精度なレイアウトを投影可能だ。図面のアップロードから現場へのレーザー照射までの一連のプロセスをタブレット上で管理できるため、現場での図面変更にも柔軟に対応可能だ。北米、欧州、日本含むアジアで、PoCを含む50以上のプロジェクトに導入された実績がある。
今回Mechasysに出資したのは、戸田建設と東急建設の他、電設資材商社の小川グループ、不動産テック企業を対象としたベンチャー投資ファンドGreat Wave Venturesの4社。Great Wave Venturesは自社の運営する「Agya Ventures Fund L.P.(投資事業有限責任組合)」を、東急建設はコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「TOKYU-CONST GB Innovation Fund L.P.」を通じて出資した。
Mechasysでは2024年の発売を目指し、量産モデルの開発、生産体制の構築を進めている。出資した4社は、日本国内の建設会社や建機の販売、リース会社と連携しながら、量産モデルの展開を支援する。
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