天井クレーン吊り荷直下への立ち入りを即座に検知、熊谷組が安全確保システム開発:AI
熊谷組は、天井クレーンの吊り荷直下の状況をリアルタイムに可視化し、作業者の立ち入りを検知して警告する安全確保システムを開発した。
熊谷組は2026年7月13日、屋内作業時の天井クレーンの吊(つ)り荷直下の状況をリアルタイムに可視化し、作業者の立ち入りを検知して警告する安全確保システムを開発したと発表した。クレーンに接続したレーザー距離計による正確な位置把握と、AIによる物体認識を組み合わせ、作業時の安全性向上を図る。
新システムでは、クレーンに接続した2台のレーザー距離計でクレーンの走行と横行を計測し、吊荷の平面座標を把握する。さらに、インターネット回線に常時接続した2台の広角カメラの映像を用いて、監視アプリケーションに搭載した物体認識AIが作業者をリアルタイムで検出。業者と吊り荷の位置関係を画面上の鳥瞰図へマッピングし、吊り荷周囲に設定した安全円(立ち入り禁止エリア)に作業者が侵入した場合には、即座に近接検知の警告を発報する。
熊谷組は、茨城県つくば市にある技術研究所内の天井クレーンに新システムを試験導入し、実証実験を実施した。安全を考慮して空荷の状態で作業者を配置。2台の距離計から1秒間隔で安定して測距データを取得し、鳥瞰図上に吊り荷の位置と安全円を描画するとともに、作業者が危険エリアへ侵入した際に警告を表示されることを確認した。作業者の向きが正面、側面、背面のいずれの場合でも、平均約90%の検知率を確認した。
今後は、物体認識AIの学習データを拡充して作業者検出の信頼性を高める。また、レーザー距離計を使用せずカメラ映像だけで吊荷の位置を特定する技術を確立し、導入コストの削減を推進する。映像取得から画面表示までのタイムラグの短縮を進め、即応性の高い安全監視体制の構築を目指す。
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