年2万トン発生する網戸端材をコンクリ補強材に再生、大和ハウス工業:新建材
大和ハウス工業、フジタ、バルチップ、関西化学工業は、再生材料を50%以上配合したコンクリート補強材「アミチップ」と、コンクリート表面に散布する施工法「マクチップ工法」を開発した。アミチップは、大和ハウス工業の住宅製造工場で発生する「網(アミ)戸端材」を再利用した「チップ」形状の再生ポリプロピレン短繊維。専用のマクチップ工法は、ミキサー車で混ぜずに、コンクリートの表面に「撒く(マク)」だけの画期的な工法。
大和ハウス工業、フジタ、バルチップ、関西化学工業は2026年3月9日、再生材料を50%以上配合したコンクリート補強用PP(ポリプロピレン)短繊維「アミチップ」と、コンクリート表面に散布する施工法「マクチップ工法」を開発したと発表した。
再生材料を50%以上配合し、従来製品と同程度の強度を実現
アミチップは、網戸端材などの廃プラスチックと再生材料、バージン材料を独自配合で組み合わせたPP短繊維だ。再生材料比率50%以上としながら、従来のコンクリート補強用PP短繊維と同程度の引張強度と製糸性を確保した。
大和ハウス工業は全国8カ所に戸建て住宅や賃貸住宅向けの部材を生産する工場を保有しており、年間で約2トンの網戸端材が発生する。他の廃プラスチック材とは分別して回収していながらも、これまではサーマルリサイクルでの活用にとどまっていた。
アミチップの実用化により、マテリアルリサイクルとして有効活用できるようになる。2トンの網戸端材からは、約2500立方メートルの繊維補強コンクリートが製造可能だ。
アミチップは、製造時の環境負荷低減にも寄与する。発表によると、バージン材料の配合比率を減らし、従来品と比べて製品1トン当たり約740キロのCO2排出量削減が見込める。さらに、2トンの網戸端材をサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへ切り替えると、約8100キロのCO2削減につながる。
ミキサー車の洗浄が不要で、コンクリに撒く「マクチップ工法」
マクチップ工法は、打設したコンクリート床の表面にPP短繊維を散布し、タンピングで内部に埋め込んで仕上げる施工方法だ。従来のようにミキサー車のドラム内で繊維を混練する必要がなく、洗浄作業を省略できる他、表層のみに繊維を使用するため、繊維使用量も減らせる。
マクチップ工法は表層部のみに繊維を使用するため、混練工法と比べて繊維使用量を削減できる。ひび割れが発生しやすい表層を重点的に補強することで、従来工法と同程度のひび割れ抑制効果を確保しながら、材料コストの低減も見込める。2025年9月に竣工したフジタの技術センター付属棟で初めて適用した。
近年はプラスチック資源循環促進法の施行などを背景に、廃プラスチックの再利用促進が求められている。一方で、再生材料の品質確保や安定調達の難しさから、焼却時の熱エネルギーを利用するサーマルリサイクルが主流となっており、CO2排出量の増加が課題。4社は今回の技術開発を通じ、マテリアルリサイクルの拡大と環境負荷低減を進める方針だ。
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