地下水の漏水を防ぐ地下コンクリート躯体の防水工法を開発、大林組:新工法
大林組とハセガワシートは、地下水による漏水を防ぐ地下コンクリート躯体の防水工法「インナーシャット工法」を開発した。地下コンクリート躯体の内側から施工可能で、防水性のみを施す場合は、最短1日で施工できる。
大林組は2024年10月2日、ハセガワシートと共同で、地下水による漏水を防ぐ地下コンクリート躯体の防水工法「インナーシャット工法」を開発したと発表した。
インナーシャット工法は、特殊な立体繊維を一体化したエチレン酢酸ビニール樹脂(EVA)系の防水シートを、専用のセメント系張り付け材で地下コンクリート躯体の内側から接着するものだ。立体繊維がセメント系張り付け材に絡みつくことで、背面水圧による防水シートの剥がれや膨れを防止する。
防水シートはコンクリート躯体の挙動やひび割れに追従
防水シートに一体化させた立体繊維がセメント系張り付け材へ絡みついて下地面に強固に接着することで、背面水圧による防水シートの膨れ、剥がれを防止する。また、防水シートの優れた伸び性により、コンクリート躯体の挙動やひび割れに対して追従し、はく離、破断が生じない。大林組によると、一定の厚さがあり、伸び性能を持つため、コンクリート躯体の挙動に追従できる防水工法としては、業界で初めて背面水圧に対応できるとしている。
地下コンクリート躯体の内側から施工可能なため、安定した作業環境を確保できるほか、建物供用後も容易に点検、補修できる。防水性のみを施す場合、最短1日での施工が可能。防食性能を要する場合でも、防水シート張り付けとシート接合部の処理のみの最短2日で施工できる。
加えて、湿潤面に施工できるため、コンクリート下地の養生や乾燥を待たずに施工可能。躯体構築から防水、防食工事完了までの工期を短縮できる。
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