パナソニック ホームズがAI施工管理を4月から本格導入、施工現場の360度ビューを自動生成:現場管理
パナソニック ホームズは、Zen IntelligenceのAI施工管理サービス「zenshot」を国内複数拠点に本格導入する。zenshotは、360度カメラを持って建物の中を歩くだけで、AIが施工現場の360度ビューを自動で作成する。試行運用では、工事管理者業務のうち2〜3割を占める移動時間を削減した。
Zen Intelligenceは2026年4月から、パナソニック ホームズの国内複数拠点で、AI施工管理サービス「zenshot(ゼンショット)」を本格導入する。
現場データとAIを活用し「現場管理の極小化」を加速
導入の背景には、建設業界の人手不足と、それに対応するDX推進の必要性があった。パナソニック ホームズは2023年に「DX推進室」を設置し、全社横断で業務改革を進めてきた。建設部門では「現場管理の極小化」を掲げ、施工管理のデジタル化を図っている。
zenshotは、360度カメラを用いて現場内を歩行するだけで、AIが施工現場の360度ビューを自動生成する施工管理のAIサービス。専用アプリをインストールする必要がなく、作業者が2〜3分程度現場を歩くだけで記録が完了。取得した動画データはクラウドへ転送され、AIが空間を解析し、図面と連携した形で現場の状況を可視化する。生成したビューはWebサイトからPCやスマートフォンで確認できる。
現場ノート機能も備え、現場ビュー上に指示出しやコメントを残せる。カレンダーと紐づいて履歴が残るため、過去の現場を振り返ったり、2分割画面で現状と比較したりすることも可能だ。
パナソニック ホームズによる試行運用では、工事管理者業務のうち2〜3割を占める移動時間を削減し、確認作業の効率化につながった。360度ビューとAI解析で現場状況を複数の関係者が確認できるため、安全性や品質の向上にも寄与した。営業や設計担当者もデータを活用でき、施主対応の品質向上にもつながった。
今後は施工管理の標準ツールとして、国内中核拠点を中心に展開する。さらにバックヤードに技術者を配置し、遠隔地から現場管理を支援する体制の構築を検討する。工事進捗レポートの自動生成や安全、品質に関する自動検知にも取り組み、管理業務の効率化を図る。
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