余剰品を社内専用Webアプリでマッチング 清水建設が26年6月から運用開始:サーキュラーエコノミー
清水建設は、工事現場や部署で不要になった余剰品を社内で譲渡するための社内専用Webアプリを開発した。
清水建設は2026年3月23日、自社の工事現場や部署で不要になった備品/資材などの余剰品を譲渡するための社内専用Webアプリ「ReuseLink」を開発したと発表した。2026年6月から首都圏の支店で、9月からは全社を対象に本格運用を開始する予定だ。
工事現場では竣工が近づくと再利用できる備品などの余剰品が多く発生する。東京支店では10年以上前から余剰品を物流センターで一時的に引き取り、再利用を仲介する取り組みを継続してきた。年間総額で約1000万円の経済的なメリットがある一方、倉庫の保管容量の制約や送料負担の増加、タイムリーな情報共有の難しさ、マッチング機能の不足といった課題があった。そこで社内専用の余剰品譲渡Webアプリを開発し、全社でマッチング機会の拡大を図ることとした。
ReuseLinkは従業員限定で提供。余剰品が発生した現場の従業員はアプリに写真付きで品目を登録し、保管期間を設定する。受け取り側は検索機能を使って必要な物品を探し、引き取りを申請。引き渡し方法や発送先などの確認にはチャット機能を使う。受け取り側が余剰品の受領後に「取引終了」を登録すると一連の取引が完了する仕組みだ。
アプリにはキーワード検索や欲しい余剰品を社内に呼び掛けるリクエスト、コメントが投稿された時のメール通知などの機能なども実装。現在の余剰品登録数は約400種類で、「ユニフォーム/安全用品」「ファイル」「現場用品」「事務用品」「日用品」「家電用品」の6つのカテゴリーに分類して登録されている。
対象は10万円未満の余剰品で、送料のみ受け取り側が負担する。試算では、全社展開により年間約3000万円のメリットが見込まれる。
清水建設は今後、アプリの全社展開を進め、廃棄物削減や資源の循環利用に努めるとともに、利用者からのフィードバックを募り、機能の高度化を図る。
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