現場の凹凸を色で投影するセンサーなど、トプコンが“変わる建築現場”を提案:第10回 JAPAN BUILD TOKYO(3/3 ページ)
トプコンは「第10回 JAPAN BUILD TOKYO」で、デジタルで変わる建築現場の視点から、従来できなかった壁や天井まで狙えるレイアウトナビゲーターやコンクリ地面の凸凹を色別で現場に投影して可視化するセンサーなどを実演して紹介した。
打設中の不陸を色で見る「平坦性センサー」
最後に紹介するのは、コンクリート打設中の不陸をリアルタイムに色分けし、平坦性をモニター内などではなくその場で可視化するシステムだ。開発中のため、正式名称はなく、ブースでは「平坦性センサー」と称していた。
システムは、トプコンのLNシリーズ、超小型の360度プリズム「キャンディーミラー」、そして面計測センサーとプロジェクタで構成する。
従来は任意の点で高さを測定して不陸を確認していたため、点と点の間の凹凸が見えなかった。レーザースキャナーなどで3D点群を取得し、データを持ち帰って解析してヒートマップ化する方法もあるが、結果が出るのはコンクリート硬化後になり、凹凸が分かっても手直しも難しかった。対して平坦性センサーは、測量と同時に結果を面的に投影するため、問題のある箇所を即座に把握してその場で打設し直せる。
不陸の程度は色で表現され、色は任意に設定できる。ブースのデモでは基準面に対して一致している箇所を緑、高い箇所を赤、低い箇所を青といった具合に色分けしていた。現場環境で緑表示が見えにくい場合は、基準面通り(許容範囲内)の部分を透明にして、色が付いているところだけ直すといった使い方も可能だ。
投影範囲は限定的で、投影機器を持つ作業者が均し作業でトンボを使う作業者と一緒に移動しながら運用するイメージだ。杭ナビが自動追尾するため、プリズムが斜めになったり高さが変わったりしても、投影結果は狂わない。
測定距離はプリズムとLNの距離で最大50メートルまで。担当者は「20〜30メートル程度がベスト」と推奨した。
商品化の時期は未定で、現時点では複数の現場でヒアリングと検証を重ね、実用レベルの精度が見えてきた段階だという。試用した現場からは、色で直感的に理解できるため、言語が異なる作業者がいる現場でも伝わりやすい点を評価する声が寄せられている。また、投影された色を見ながら均し作業を進める流れがゲームのようで、「見えても直すかどうかは作業者次第というところがあったが、ゲーム感覚で色をそろえられることで、積極的な作業参加にもつながった」という説明も印象的だった。
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