装薬孔内の崩落時でも遠隔で爆薬を装填、肌落ち災害を防止 奥村組が新装置開発:山岳トンネル工事
奥村組は、山岳トンネル工事の爆薬装填作業において、装薬孔内が崩れた場合でも遠隔操作で装填できる「爆薬遠隔装填装置」を開発した。切羽鏡面での人力作業をなくすことで、肌落ち災害のリスク低減を図る。
奥村組は2026年2月4日、山岳トンネル工事における爆薬装填作業時の肌落ち災害を防止するため、装薬孔内の崩落時でも遠隔で装填可能な「爆薬遠隔装填装置」を開発したと発表した。
新装置は、ドリルジャンボのブーム先端にあるガイドシェルに装着して使用する。装置先端には、爆薬を装薬孔内へ供給する「装填パイプ」と、装薬孔内に崩落した岩片を破砕する「先端コーン」を装備。本体後方には「給気/給水孔」を設け、空気や水によって爆薬を装薬孔内へ圧送する他、孔内に崩落した岩石の除去にも用いる。
また、静電気による誘爆リスクをなくすため、装填パイプはカーボンファイバーを主体とした非鉄製とし、先端コーンにはステンレスを採用した。
爆薬の遠隔装填システムは、装置とドリルジャンボ付近に設置した装薬機を市販の非耐電式耐圧ホースで接続して構築。従来人手で行っていた作業を、切羽から2メートル以上離れた位置で、ドリルジャンボのオペレーターと作業員の2人で安全に実施可能とした。
奥村組は、装置の性能確認を目的に、中日本高速道路名古屋支社発注の「東海環状自動車道養老トンネル北工事」で、模擬爆薬と模擬雷管を使用した実証実験を実施。操作性などを6段階のステップで検証を行い、多亀裂性地山でも爆薬の遠隔装填が確実に実施できることを確認した。
奥村組は今後、現場での早期適用を目指し、実証実験を重ねるとともに、爆薬装填に関する追加技術の検討を進め、システムのブラッシュアップを図る。
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