自動掘削/遠隔操作に対応する「AI-ロードヘッダ」に2機種追加、安藤ハザマ:山岳トンネル工事
安藤ハザマと三井三池製作所は、山岳トンネル工事向け「AI-ロードヘッダ」について、集土/排土機能を付加した積込み機能付きの「MRH-S200Gi」と、作業性が向上した大型タイプの「SLB-300Si」2機種を開発した。
安藤ハザマは2026年1月22日、三井三池製作所と共同開発した山岳トンネル工事向け「AI-ロードヘッダ」の新型機2機種を開発し、実現場での長期実証実験を開始したと発表した。対象機種は、集土/排土機能を備えた積込み機能付きの「MRH-S200Gi」と、作業性が向上した大型タイプの「SLB-300Si」。長期実証試験で得た知見はAIに反映し、機能の充実を図る。
安藤ハザマはICTによる山岳トンネル工事の生産性向上を目指す「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM)」の一環としてAI-ロードヘッダの開発を進めている。2023年6月には国土交通省中部地方整備局発注の「令和3年度 中部縦貫坊方トンネル工事」で積込み機能付きAI-ロードヘッダ「MRH-S200i」による自動掘削と遠隔掘削の実証試験を行い、その有効性を確認した。その後、実証試験で得た知見を基に、MRH-S200GiとSLB-300Siを新たに開発し、工場試験を実施してきた。
今回、MRH-S200Giを九州地方整備局発注の「大分210号川下トンネル新設工事」、SLB-300Siを関東地方整備局発注の「R5国道246号厚木秦野道路伊勢原第一トンネル工事」に導入し、新機能を含む作業性の確認を行う。
MRH-S200Giは、機体後方に装備したコンベヤーで掘削したずりをダンプトラックへ直接積み込める。SLB-300Siは出力向上に加え、大型化により施工範囲が拡大し、高速道路トンネルなどでの全断面掘削に対応する。
また、いずれの機種も自動運転機能や遠隔操作機能が向上。自動運転では、機体の位置と切羽面の位置を把握し、切削ブーム先端のドラムの移動経路を自動生成して自動掘削を行う。新機種では、一般的な計測システムを活用して、短時間で自己位置を把握できるようになった。
遠隔操作機能については、トラブル発生時にポップアップ表示やアラート音などで容易に状況把握を可能とした。掘削アシストシステムではLiDARで取得した周辺データの重ね合わせが可能となり、切羽との位置関係など、より実態を反映した状況把握が可能となった。
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