東急建設が「トンネル支保工誘導システム」導入、建て込み作業の人員4割削減:山岳トンネル工事
東急建設は、山岳トンネル工事における支保工建て込み作業の安全性向上と省人化を目的に、「トンネル支保工誘導システム」と「3軸微調整機構付きエレクター」を導入した。
東急建設は2026年1月19日、山岳トンネル工事における鋼製支保工の建て込み作業の安全性/生産性向上を目的に、演算工房の「トンネル支保工誘導システム」とニシオティーアンドエムの「3軸微調整機構付きエレクター」を導入したと発表した。
両システムを、国土交通省中国地方整備局発注の広島県東広島市「安芸津バイパス木谷トンネル工事」で実証した結果、切羽直下への作業員の立ち入りが不要になり安全が向上した。また、鋼製支保工の建て込み作業の人員を約40%削減すると同時に、オペレーターの熟練度に依存しない精度の高い施工を実現した。
従来の工法では、支保工の正確な設置位置確認のため、計測や誘導を担当する作業員が簡易定規や測量機を使用し、切羽直下に立ち入って重機オペレーターに合図を送る必要があった。
トンネル支保工誘導システムは、支保工に設置したプリズムを自動追尾式トータルステーションで計測。設計位置と実測位置の差異の情報を、重機オペレーターが運転席のモニターからリアルタイムに直接確認する。危険箇所に作業員が立ち入る必要がなくなり、作業の安全性が大幅に向上した。
また、支保工を把持するエレクターの3軸微調整機構を併用することで、自主管理基準(鉛直/横断方向0〜30ミリ、縦断方向±30ミリ以内)を満たす建て込み精度を確保した。
支保工建て込み作業には標準で5人(OP1人、マンゲージ2人、足元2人)必要だったが、新システムの導入で3人(OP1人、マンゲージ2人)で実施できることを確認。作業スピードも約20%向上した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
山岳トンネル工事:シールド掘進中の土質判別システムを開発、カメラ付き三成分コーンで高精度に判別 戸田建設
戸田建設は、カメラ付き三成分コーンを用いてシールド掘進中の地盤をリアルタイムに判別する土質判別システムを開発した。
“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(37):i-Con2.0実現にはAI活用が不可欠 3つのオートメーション化を加速させるAI【土木×AI第37回】
国交省が進める「i-Construction 2.0」でも、AI活用が建設業の生産性向上を実現するための重要な要素技術となっています。今回は、i-Construction 2.0で標ぼうする3つの“オートメーション化”で、AIがもたらす可能性について土木学会の論文を引用しながら考察します。
i-Construction 2.0:8800人が訪れた建機のテーマパーク 「ミライ建機ランド」で体感する建設現場の未来
建設分野の最新技術を一般ユーザーにも体感してもらう西尾レントオール主催のイベント「ミライ建機ランド」が、2025年11月に2年ぶりに開催された。会場では、建機の堅苦しい空気感を覆す熱気に包まれていた。子ども連れの家族から技術者、学生まで、3日間で8800人以上が訪れ、360度回転するバケットや建機の遠隔操作、建設向け3Dプリンタなど、未来の建設現場をつくる技術を直接目の当たりにする機会となった。
i-Construction 2.0:新笹子トンネル工事に「OTISM/TUNNELING」の技術を集約、大林組
大林組は2025年11月26日、山岳トンネル工事の安全性と生産性を向上させる統合システム「OTISM/TUNNELING」を、R4国道20号新笹子トンネルその1工事に実装したと発表した。
山岳トンネル工事:AI映像解析を切羽遠隔監視システムに追加、危険箇所への侵入をリアルタイム検知 東急建設
東急建設は、山岳トンネル工事の安全性を高めるため、「切羽遠隔監視システム」にAI映像解析機能を導入する。
山岳トンネル工事:トンネル内空変位を高精度に自動計測 大成建設が新システム開発
大成建設とマックは、多数のレーザー距離計を無線制御し、トンネル内空変位を高精度かつリアルタイムに自動計測する「T−レーザートンネルウォッチ」を開発した。

