住宅用プレゼンデータを最短15秒で高精細なVRへ変換するソフトウェアを開発、DNP:xR
DNPは、注文住宅などの商談に使うプレゼンテーションソフトデータを短時間で高精細VRに変換するソフトウェア「DNPバーチャルエクスペリエンス VRプレゼンゲートウェイ」を開発した。最短15秒と素早く住宅用プレゼンテーションデータを高精細なVRに変換できることが特長となっている。
大日本印刷(DNP)は2022年11月8日、注文住宅などの商談に使うプレゼンテーションソフトデータを短時間で高精細VRに変換するソフトウェア「DNPバーチャルエクスペリエンス VRプレゼンゲートウェイ」を開発し、同年11月中にリリースすると発表した。
高精細な3DCG空間内の自由なウォークスルーを実現
近年、住宅事業者と施主による注文住宅の商談では、設計図面やパース図の他、住宅用プレゼンテーションソフトの利用が拡大している。しかし、こうしたソフトは図面データから簡易的な立体表示が可能な一方で、施主が理解しやすいような精細かつリアルな画像データを作るには、レンダリングソフトなどを用い、長時間の作業が生じていた。
DNPでは、3DCGやパース制作担当者の作業時間や残業時間を削減し、業務効率改善に寄与すべく、カタログ制作などで培った高度な画像処理技術やインテリアシミュレーションを支援する「DNPバーチャルエクスペリエンスシリーズ」のVR技術を活用し、今回の開発に至ったとしている。
DNPバーチャルエクスペリエンス VRプレゼンゲートウェイの特長としては、最短15秒と素早く、DTS製住宅用プレゼンテーションソフト「Walk in home 2022」のデータを高精細なVRに変換。ゲーム用コントローラーで、VR空間内を自由にウォークスルーして説明することで、施主の理解や納得が深まるまで完成イメージを確認できる。また、VRの変換エンジンとVRビュワーが一体化しており、複数のソフトウェアを使用する必要がない。
ソフトウェアの開発にあたっては、住宅用プレゼンテーションソフト「Walk in home(ウォークインホーム)」の開発元のDTSとユーザー企業、販売代理店の協力のもと、住宅プランの提案業務のなかでテストマーケティングを実施し、課題仮説の検証やニーズの深掘りを行った。
機器の構成は、高性能グラフィックスカードを搭載したPC、大型ディスプレイ、コントローラー。オプションで、ヘッドマウントディスプレイと昇華型プリンタ。
今後は、2021年からDNPが推進しているXR(eXtended Reality)コミュニケーション事業の一環と位置付け、ヘッドマウントディスプレイによるVR視聴の対応に加え、インターネットブラウザでの利用を通じてメタバースとの連動を可能にするなど、機能拡張を進めていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “発注者”が意識すべきフロントローディング(前編)―設計段階で引き渡す「VHO」がなぜ必要か【日本列島BIM改革論:第5回】
建設費や工期の削減には、フロントローディングが必須となる。しかし、フロントローディングはBIMソフトを単にツールとして使うだけでは、到底実現できない。では何が必要かと言えば、発注者が自ら情報要求事項をマネジメントし、設計変更を起こさない仕組みを作り、意思決定を早期に企図しなければならない。これこそがBIMによる建設生産プロセス全体の改革につながる。今回は、現状の課題を確認したうえで、情報要求事項とそのマネジメント、設計段階でのバーチャルハンドオーバー(VHO)によるデジタルツインによる設計・施工などを前後編で解説し、発注者を含めたプロジェクトメンバー全体でどのように実現してゆくかを示したい。 - パナソニックのVRを使った街づくり支援
パナソニック エコソリューションズ社はVR(バーチャルリアリティー)を街づくりや施設計画に活用した「環境計画支援VR」のサービスを展開している。 - 高速道路の点検で生じるリスクを体験できる新たなVR、アクティオ
アクティオは、高速道路の点検で生じるリスクを体験できるVR「Safety Training System VR of AKTIO」を開発した。 - NTTドコモの新会社「NTTコノキュー」本格始動 独自のXRデバイス開発や「バーチャル万博」などデジタルツインを展開
NTTドコモのXR新会社「NTTコノキュー」が2022年10月1日から事業を開始した。今後は、メタバースやデジタルツイン、XRデバイス開発の3領域で注力していく。 - ホロラボと日建設計がMRプロトタイプアプリを開発、仮想空間と現実空間を融合するワークプレース実現へ
ホロラボと日建設計は仮想空間と現実空間を融合するワークプレース「Cyber-Physical Workplace(CPW)」の実現へ向け、MRのプロトタイプアプリケーションを開発したと発表した。テレワークなどで感じている孤独や偶発的コミュニケーションの低下の解決を目的としている。 - 【連載まとめ】急成長を遂げる不動産テック市場の行方
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することで、ダウンロードすることができます。今回のブックレットは、足元の不動産テック市場の現況と今後の見通しをアットホーム 原雅史氏がレポートした連載のまとめです。