業種別倒産発生予測ランキング 建設関連が2〜3位に、35社に1社が倒産リスク:産業動向
アラームボックスは、2026年以降の業種別倒産発生予測ランキングを発表した。1年以内に倒産する危険性がある“要警戒企業”として、電子部品やデバイス、電子回路の製造業が2期連続で1位となった。2位は総合工事業、3位は職別工事業で、人手不足などの構造的な負荷が顕在化して倒産リスクが高まり、前回よりもランクアップした。
AI与信管理サービスを提供するアラームボックスは2025年12月11日、「倒産危険度の高い上位10業種」を発表した。2024年12月1日〜2025年11月30日の期間に収集した1万4143社25万5755件のネット情報などを基に、1年以内に倒産する危険性がある“要警戒企業”を分析した。
<業種別倒産発生予測ランキングのサマリー>
■電子部品/デバイス/電子回路製造業が2期連続1位
■建設関連2業種と道路貨物運送業が上位に
今回の調査では、倒産リスクが最も高い業種として、電子部品やデバイス、電子回路の製造業が2025年6月発表の前回分析と同様に1位となった。
大幅赤字が改善されていない企業や資本金が大きく減少したメーカーがあり、財務面の不安定さが続いている。加えて半導体不足を背景に、生産遅延と納品遅れが発生し、売上不振から倒産に至ったケースもあった。さらに、車載部品や医療機器向けなど特定用途に依存する企業では、需要変動や供給制約の影響を受けやすく、資金繰り悪化となりやすい構造的な問題を抱えている。
その次に「総合工事業」と「職別工事業(設備工事を除く)」の建設関連2業種が続き、「道路貨物運送業」も上位に入った。いずれの業種でも、人手不足やコスト増が経営を圧迫している。安全管理の問題や支払い遅延、連鎖倒産も発生し、資金繰りの脆弱性が浮き彫りとなった。
総合工事業は35社に1社が倒産する危険性ありとなった。完工高や受注は増加している一方、工事量の増加に伴う運転資金負担の拡大や採算性の低さに、資材価格や人件費の上昇が重なることで資金繰りが悪化し、事業継続を断念せざるを得ない企業も散見された。
一部企業では、Webサイトの閉鎖や従業員数の減少といった事業縮小や撤退をうかがわせる兆候もみられる。給与や家賃の支払い遅延など要注意情報も多く、総合工事業の倒産リスクは高止まりしている。
職別工事業(設備工事を除く)は38社に1社が倒産リスクありの予測で、主に下請けとして内装工事や塗装工事を行う事業者で、債権譲渡登記の多発やノンバンクからの資金調達により、運転資金不足が慢性化している企業がみられた。支払遅延や訴訟、書類送検の情報もあり、信用力の低下が取引先からの警戒感を強めている。中にはWebサイト閉鎖や営業実態が不明な企業など、一部では既に破産手続きに移行した事例も確認されている。
こうした企業では、自己資本の毀損(きそん)や営業キャッシュフローの悪化など、財務指標の脆弱さが目立つケースも多く、収益力や財務基盤ともに不安定な実態が表れている。特に資材や人件費の上昇が止まらず、下請型のビジネスモデルで価格交渉力も弱く、支払遅延に関する要注意情報が多い職別工事業の倒産リスクは高い水準にある。
調査概要
調査時期:2024年12月1日〜2025年11月30日
調査対象:アラームボックスでモニタリングしていた企業のうち、1万4143社
対象データ:アラームボックスで配信されたアラーム情報25万5755件
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