“建材の盗難/詐欺/横領”を4つの守りで防ぐ、日本企業危機管理協会が開発した新サービス:建材盗難
日本企業危機管理協会は、急増する建材の盗難に対処すべく、警察OBの調査力と動産総合保険を組み合わせた日本初とPRする強力な資材防衛サービスを開始した。窃盗発生後に、民事とみなされ犯罪を証明するのが難しい場合でも、探偵業のパンダ探偵社が情報を収集して警察への届け出を支援する。
一般社団法人日本企業危機管理協会とinKrone(インクローネ)は2025年3月から、足場機材の窃盗、詐欺、横領から守る「KPS(建設資機材プロテクションサービス)」を開始した。
新サービスは、警察OBの調査力と動産総合保険、危機管理コンサルタントが構築する防衛対策を活用し、4つの守りを提供する。
建材の高騰や供給不足で、足場資材の窃盗や詐欺、横領が急増
2020年以降、建設資機材の世界的な価格の急上昇や供給不足の影響で、建設資機材、特に足場資材の窃盗や詐欺、横領の被害が急増しており、多くの軽仮設業の経営者が頭を悩ませている。被害を受けて倒産/廃業した会社も出始め、軽仮設業界は深刻な危機に直面している。
建設資機材が不当に持ち去られて警察に被害届を出そうとしても、窃盗として認めてもらうには証拠が必要で、届け出の内容によっては受理してもらえない事案が多発。当事者には窃盗でも、商取引上の争い(民事)とみなされた場合、警察は関与しない。窃盗、詐欺、横領を証明することはとても困難なことが分かってきている。
こうした事案を解決すべく、日本企業危機管理協会とinKroneは、KPSを共同で開発した。建設資機材を防衛するために、危機管理コンサルタントが構築する「社内防衛体制構築サービス」「事件発生時の調査サービス」「所有者証明サービス」「動産総合保険」をinKroneを介して特約店が提供する。
社内防衛体制構築サービスは、危機管理コンサルタントが提供するマニュアルや教育ビデオ、足場資材管理アプリ(無料版/有料版)などを通して、足場資材を守るための社内管理体制の見直しや強化を支援する。
事件発生時の調査サービスは、協会の警察OBスタッフとinKroneが営む探偵会社「パンダ探偵社」が、事案発生時に元刑事の指揮下で、調査員が事案に関する情報を収集して、警察への届け出をサポートする。
所有者証明サービスは、会員の資機材には犯罪に備え、複数の「特殊な刻印」を施す(一部オプション、一部別料金)。特殊な刻印により、万一資機材が持ち出されても、第三者のJCRMAが刻印を識別して、不当に持ち去られた資機材が会員企業の所有物と証明する。
動産総合保険は、建設資機材盗難保険サービスが付帯されており、盗難届けが警察に受理された場合は補償を受けられる。引受保険会社は三井住友海上火災保険。
日本企業危機管理協会 理事 企業防衛部長 秋月雅史氏は、「足場資材は汎用性や流動性、換金性が高いため、窃盗犯から見ても“狙いやすい”資材。窃盗の証明のしづらさから、長い間、犯罪を防ぐことが難しいとされてきた。状況を打壊するために、盗難に遭った軽仮設業界の社長たちにヒアリングし、警察OBと知恵を絞り、協議を重ねてサービス開発にこぎつけた」と経緯を話す。
また、「サービスの効能の高さを三井住友海上保険が認め、協会独自の保険の開発にも成功した。軽仮設業界から窃盗を一掃するために、今後もサービスの改良を続けていく」とコメント。
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