3Dデータ活用や施工自動化など「ダム現場の働き方改革」106事例を公開 国交省:i-Construction 2.0(2/2 ページ)
国土交通省はダム建設/維持管理現場のデジタル活用など事例106件をまとめた「ダム現場の働き方改革事例集〜ダム建設・ダム管理における新4K推進〜」を公開した。
成瀬ダムで自動化施工、熟練オペレーターの操作をプログラムに
東北地方整備局の「成瀬ダム建設事業」では、鹿島・前田・竹中土木JVが建設機械の自動運転/施工に取り組んだ。鹿島建設では、熟練オペレーターの操作を分析してプログラミングされたブルドーザや振動ローラ、ダンプトラックなどを遠隔管制室から少人数で運用。多数の重機によるCSG打設の自動化を実現した。
水資源機構の「思川開発事業」では、大成建設が無人航空機(UAV)とAIを組み合わせて表面遮水壁(フェイススラブ)全面の画像解析を実施。高解像度カメラ搭載のUAVで取得した画像データからAIが亀裂を抽出し、画像解析によってクラック幅や長さを計測。得られたデータを試験湛水時に管理段階のモニタリング基礎データとして整理している。現地調査時間の短縮、安全性の向上に加え、計測結果の個人誤差を抑えられることが分かった。
ダム現場106事例を収録 「新4K」実現を後押し
ダム現場では熟練技能者の不足や時間外労働規制への対応として、3Dデータ活用やICT建設機械、生成AI導入をはじめとしたDXを推進し、受発注者の連携による生産性向上と働き方改革を図っている。
事例集では、国土交通省、水資源機構、都道府県のダム建設/管理の現場から106件の事例を収録。調査/測量、計画/設計、施工、監督検査、協議/地元説明、維持管理、広報など活用段階ごとに事例や課題を整理した。
国交省は先進事例を共有することで、ノウハウが不足している事業者の取り組みを促す。併せて「給与がよく、休暇が取れ、希望が持てて、かっこいい」職場環境「新4K」の実現に向け、内容の更新と拡充を継続する。
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