1400億円を投じた延べ37万m2「GLP ALFALINK 尼崎」が満床竣工 国内初、市運営の子育て施設を設置:ロジスティクス(2/2 ページ)
兵庫県尼崎市で、関西最大級の大規模多機能型物流施設となる「GLP ALFALINK 尼崎」が満床竣工した。佐川急便や日本アクセスが入る尼崎Northと、1社専用の尼崎Northの2棟でから成り、総延べ床面積は約37万平方メートルで、総投資額は約1400億円。
尼崎Southの設計・施工はJFEシビルJV
GLP ALFALINK 尼崎Southは、免震PCaPC造(一部S造)6階建て、延べ床面積24万2420平方メートルの先進的大型マルチテナント型物流施設。設計・施工はJFEシビル・りんかい日産・合田・春名・シマJVで、構造設計はデロイトトーマツPRSが手掛けた。工期は2023年11月〜2025年10月末。
施設内はダブルランプウェイでの上下階移動を可能とし、3階は平面使い、4〜5階は垂直搬送機と荷物用エレベーターを設置したメゾネット、最上階の6階は両面バース利用を可能にする設計仕様とした。
施設内装には、川や海に囲まれた尼崎を連想させるデザインを取り入れ、働く従業員が施設に愛着を持ち、快適に働ける環境とした。
また、ヘラルボニーと協働で、施設エントランスや施設内のブリッジ、施設外周のランニングコースにアート作品を展示し、物流施設を中心とした多様性の促進と新たな賑(にぎ)わいを創出する。
既に大手リピートカスタマーに加え、佐川急便、食品卸売業大手の日本アクセス、大手3PL企業の関通、食品や飲料などの流通加工や保管業務を行うジョブポートの計5社と賃貸借契約を締結済みで満床となっている。
1〜2階には、佐川急便の関西最大級となる大型中継センターが開設。3階は、日本アクセスが消費者地に近い立地を生かし、戦略的輸配送拠点として現在稼働中の近隣にある日本GLPの物流施設と合わせて利用する。関通は、尼崎エリアで「GLP 尼崎I」「GLP 尼崎III」「GLP 尼崎IV」を利用するリピートカスタマーで、今回は関西エリアの戦略的物流拠点として活用する。ジョブポートは流通加工事業の拡大に伴い、日本GLPが提供する施設スペックやALFALINKのブランドコンセプトなどを評価して入居を決めた。
尼崎Northの設計・施工は五洋建設
GLP ALFALINK 尼崎Northは、免震PCaPC造地上4階建て、延べ床面積約11万2300平方メートルのボックス型施設。設計・施工は五洋建設、構造設計はデロイトトーマツPRS。工期は2024年3月〜2025年10月末。日本GLPのリピートカスタマー企業の専用施設となることが決定している。
施設内は、1階に入出荷をスムーズに行える両面バースを備え、天井高を標準よりも高くし、自動化や省人化をはじめ、最新のテクノロジーを利用した高効率な庫内作業にも対応する。全館に空調設備を設置し、庫内環境を整える他、従業員向けのカフェテリアやコミュニケーションスペースを設け、交流が生まれるエリアを作り、快適性のみならず豊かな就労環境を整えた。
GLP ALFALINK 尼崎の環境配慮面では、屋上に設置を予定している自家消費型太陽光発電の容量は合計約6.5MWで、発電した電力を自家利用する計画。両施設ともCASBEEの取得を予定しており、GLP ALFALINK 尼崎SouthはZEB Ready、GLP ALFALINK 尼崎NorthはZEBを目指す。
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