リアルの扉を開けるとヴァーチャル空間へ移動! ドコモと奈良先端大がMR開発:xR
NTTドコモと奈良先端科学技術大学院大学は、リアル空間の扉を開けるとヴァーチャル空間に移動できるMR技術を開発した。不動産内見や観光ツアーなどへの活用が期待される。
NTTドコモと奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)は2025年3月6日、現実空間の扉を使って、バーチャル空間へ自然に移動する複合現実(MR:Mixed Reality)の技術を開発したと発表した。
観光や不動産などMR空間を活用する多様な分野でユーザー体験向上
ヘッドマウントディスプレイ型の空間コンピュータ「Apple Vision Pro」を着用した状態で、リアル空間の任意の扉を開いてくぐると、その先のヴァーチャル空間に入り込める。
技術はApple Vision Proで効率的に動作する「手と扉の動きを動的に認識する技術」を中核に、1.手の認識、2.扉の認識、3.手と扉の接触認識、4.扉の開閉認識、5.扉開閉時のバーチャル空間描画、6.扉開閉時のリアル空間描画の6つの要素技術で構成されている。
手の認識と扉の認識では、Apple Vision Proに映る扉の隅を指先で2カ所選択すると、扉の存在が認識され、開閉する手の動きだけを検知して開閉状態を把握する。扉の厚みなど扉の3次元情報を把握しているほど正確な描画が可能だが、最低限2カ所を設定する操作のみで扉の存在を認識できる。
次に、扉の付近で取っ手を握る動作を空間コンピュータが検知すると手が扉に触れたことを認識する。扉の開閉は、取っ手を握る動作が検知されなくなるまで扉が開閉動作をしていると判定する。
扉の開閉角度とユーザーの視野に応じ、扉の先にヴァーチャル空間を描画。同じく、扉が開いている角度とユーザーのヴァーチャル空間側からの視野に合わせ、リアル空間を扉の先に描く。
NAISTによると、これまでリアル空間とヴァーチャル空間の境目として扉を始めとした出入口を空間コンピュータ上で実現した事例はあったが、出入口自体を利用者が操作し、その操作に伴う触覚情報を利用者が得られるケースはなかったという。
そこでNAISTは利用者の操作に触覚情報の伝達を伴う出入口がユーザー体験を向上させることに着目し、科学的に検証するに至った。NTTドコモはNAISTが発見した科学的な知見をもとに、手と扉の動きを動的に認識する技術を新たに開発した。
今回の技術は、不動産のバーチャル内見や観光業のバーチャルツアーなど、MRアプリケーションへの応用が期待される。また、大阪・関西万博会場内の「けいはんな万博 in 夢洲」の夢洲本会場 大阪ヘルスケアパビリオン リボーンステージ(広場)で、「MR技術を使った扉をくぐってバーチャル旅行しよう!」として出展する。
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