積水ハウスがセーフィーのクラウドカメラ約1200台導入、業務効率化や顧客満足度向上に寄与:導入事例
積水ハウスは、セーフィーのクラウドカメラ「Safie GO」シリーズを全国の施工現場に約1200台導入し、全社的な施工管理DXを推進している。
セーフィーは2025年12月3日、屋外向けクラウドカメラ「Safie GO」シリーズを積水ハウスが現場定点カメラとして採用し、2025年11月時点で約1200台を導入したと発表した。
Safie GOは電源のみで設置可能なLTE搭載クラウド録画型カメラで、遠隔からの現場確認が可能となる。積水ハウスからは高精細なHD画質や直感的な操作性、API連携による拡張性が評価され、導入により現場状況のリアルタイム確認/共有による業務効率化の効果が確認されたとして、長時間移動を伴う遠方物件を中心に設置が進んでいる。
千葉支店ではSafie GO PTZを全現場に設置
広範囲なエリアを管轄する積水ハウス千葉支店では、8人の現場監督が年間約200棟の現場を担当し、最大で片道2時間の移動を要していた。そこでパンチルトズーム(PTZ)機能を備えた「Safie GO PTZ」を稼働中の全現場に設置する方針を決定。クラウドカメラの管理ツールを使用して稼働率向上を図りながら、現場全体を網羅的に確認できるカメラの設置位置や画角を図面に明記して都度現場に展開した。
運用方法の改善を重ねながら現場導入を進めた結果、特に業務負荷が大きかった時期と比較して、現場監督1人あたり月平均20時間の労働時間を削減。さらに「いつでも確認できる」環境が、現場管理における心理的安全性の向上にも寄与したという。施主からの問い合わせに対しても、映像確認して即座に回答でき、上棟時にはタイムラプス動画を納品することで顧客満足度の向上にもつながった。
現場情報を一元化したオリジナルダッシュボードを運用
積水ハウスは、クラウドカメラの映像データと屋内工事で撮影した360度写真、社内基幹システムをAPI連携したオリジナルダッシュボードを運用している。屋内外のカメラ映像/画像と職方の現場入退場情報やWBGT指数などを一覧表示し、現場監督の業務を効率化するインフラとして整備した。
今後は拡張性の高い映像データを解析し、タイムリーな対応が必要なシーンの検知/通知を行うことで、施工品質と現場安全性、顧客満足度の向上を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
次世代のスマートビル:「止まらない通信」を支えるパナソニックのネットワーク機器 GIGAスクールの課題を解消する新HUB発売
企業の事業継続性にも関わる通信ネットワーク機器で、パナソニックEWネットワークスは家電や住宅設備で培ったノウハウを生かし、過酷な環境でも“止まらない通信”を実現する製品を市場に供給している。日本品質への徹底したこだわりと「現場の声」を反映した製品設計の思想は、オフィスにとどまらず、文科省の施策に後押しされた学校施設などでの通信インフラ整備のニーズにも応える。
Japan Home Show & Building Show 2025:360度カメラが建設現場をまるごと記録、AIが現場監督を支援する新機能も開発中
Zen Intelligenceは、作業者がカメラを持って現場を歩くだけで360度画像を記録できる「zenshot」を建設向けに展開している。直近では、新たなプロダクトとして現場監督の判断を支援するAI基盤モデルの開発にも着手した。
遠隔監視:アンドパッドとセーフィーが協業、建設現場の遠隔管理を推進
アンドパッドとセーフィーが協業を開始した。「ANDPAD遠隔臨場」とセーフィーのクラウドカメラを連携させることで、建設現場の遠隔管理を推進する。
FM:遠隔警備で建設現場の防犯強化、セーフィーが新会社設立 警備会社と提携
セーフィーは、建設現場などの防犯ニーズの高まりに対応する新会社「セーフィーセキュリティ」を設立し、セントラル警備保障と資本業務提携を締結した。
第10回 JAPAN BUILD OSAKA:パナソニックとトヨタが設立したPLTが開発 着工から竣工までを一元的に記録する「CONSAIT」
パナソニック ホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニック建設エンジニアリング、松村組のホールディングス会社「プライム ライフ テクノロジーズ」は、着工から竣工までの記録業務を効率化する複数のアプリから成るクラウドプラットフォーム「CONSAIT」を提供している。最新のアップデートでは、仕上検査時に指摘事項を発話するだけで自動入力する「CONSAIT Pro仕上検査」をリリースした。
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025:5G×AIでインフラ老朽化問題を解決 NTTドコモが示す現場DXの実装モデル
NTTドコモビジネスとNTTドコモソリューションズは、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」で、5GやAI、ドローンなどを活用して、現場の省人化や効率化を支える最新技術を多数紹介した。その中から、遠隔作業支援、水位監視、橋梁診断AIを取り上げ、現場DXの実装事例を紹介する。

