ニュース
衛星画像とAIで不法/危険盛土を検出、パスコが自治体向けに提供:製品動向
パスコは、二時期の衛星画像をAI判読技術で解析し、土地の改変箇所を特定する自治体向けモニタリングサービス「MiteMiru盛土」の提供を開始した。
パスコは2025年10月9日、衛星画像とAIを活用して土地の改変箇所を特定する自治体向けモニタリングサービス「MiteMiru (ミテミル)盛土」の提供を開始した。不法/危険盛土などの監視や発見を効率化し、自治体や担当職員の業務負担を軽減を図る。
MiteMiru盛土は、二時期の衛星画像をAI判読技術で解析し、土地改変箇所を自動検出して関係者にメールで通知する。山間部など人目に付きにくい場所も含めて行政区域内を網羅的に監視し、現地パトロールなど職員の業務負荷を低減する。
衛星画像にGISデータを重ねて表示できるため、土砂災害警戒区域や大規模造成地などの主題図と照合しながら画面上で目視確認が行える。また、建物やソーラーパネル、土地開発、伐採など盛土以外の土地改変箇所もAIで検出可能だ。
サービス契約後に新規の衛星画像を撮影するため、自治体側で衛星画像を調達する必要はない。利用衛星は、1.5メートル解像度(SPOT)と0.5メートル解像度(Pleiades)から選択。撮影頻度は年1回または年2回のいずれか。衛星画像や変化点、届け出情報などの一元管理が可能で、登録情報は関係部門間で共有可能だ。
なお、新サービスは、従来の「目視による盛土に関する判読業務」に完全に置き換わるものではなく、パスコは今後も専門家による目視判読サービスを併せて提供していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ドローン:オフグリッド型ドローンポートで斜面監視を遠隔/自動化 AIと点群で差分解析、能登で実証
八千代エンジニヤリングは、能登半島の地すべり災害区域で、オフグリッド型ドローンポートを用いた遠隔自動監視の実証を実施した。AIによる画像解析と手動による点群差分解析を組み合わせ、地形変化の定量把握を図った。不動産テック:人工衛星とAIで不動産登記と現況の差を見える化 「宇宙から地球の不動産市場を変える」WHERE
アクセルスペースとWHEREは、人工衛星の地球観測画像とAIを用い、不動産登記情報の高精度化を図るPoCを開始した。対象エリアは東京、神奈川、埼玉など6都府県で、都市開発や土地利用の変化を自動検知し、登記情報と照合する。第7回 国際 建設・測量展:スマホがAR投影も可能なcm級の測量機器に! RTK測量が進化したレフィクシアの「LRTK」
建設現場では、3D点群スキャンして施工管理に活用する“デジタルツイン”の活用が広がっている。そうしたトレンドの中でレフィクシアは、スマホをセンチレベルの高精度測量機に進化させる次世代測位デバイスを提案する。3D点群スキャンや土量計算、座標ナビがスマホ1台で完結するだけでなく、AR投影で施工モデルを現実空間に重ね合わせる機能も備える。現場管理:竹中工務店に衛星画像を活用した現場モニタリング技術を提供、Meissa
Meissaは、竹中工務店に衛星画像を活用したスマート建設ソリューションを提供する。ドローン運用が難しい建設現場で、代替手段として高解像度の衛星画像を活用し、工事現場を遠隔でモニタリングする。デジタルツイン:ドローンとデジタルツインで地域防災を強化 NTT東日本らが長井市と協定
NTT東日本、山形県長井市、NTT e-Drone Technology、NAVER Cloud、韓国水資源公社は、ドローンとデジタルツインを活用した地域防災強靭化に関する連携協定を締結した。豪雨災害を経験した長井市を対象に、高精細なデジタルツインを構築し、水害や降雪対応の防災オペレーションへ応用することを目指す。“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(34):八潮の道路陥没事故はAI活用で防げたか? “予防保全”を実現する土木学会の最新研究【土木×AI第34回】
八潮市で起きた事故を筆頭に、全国で道路陥没が多発しています。国交省ではインフラの維持管理に対し、従来の不具合が起きた後に対処する“事後保全”から、事前の定期点検や修繕で長寿命化を図る“予防保全”への転換を進めています。そこで今回は、道路陥没を未然に防ぐ予防保全を可能にするAIの最新研究を紹介します。