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AIと現場拡張メタバースでリスク危険予知を支援 日立が現場向け新システム:メタバース
日立製作所と日立プラントコンストラクションは、次世代AIエージェント「Naivy」と現場拡張メタバース技術を活用したリスク危険予知支援システムを開発した。
日立製作所と日立プラントコンストラクションは2025年10月7日、次世代AIエージェント「Frontline Coordinator-Naivy(ナイヴィー)」と現場拡張メタバース技術を活用したリスク危険予知(RKY)支援システムを開発したと発表した。
新システムは、メタバース空間で作業現場をリアルに再現し、過去の災害事例やノウハウ集、直近の作業写真など複数の情報ソースから、Naivyが即座にナレッジを解析、抽出。安全手順の確認や危険箇所、現場ごとの潜在リスクや最適な安全対策などを作業者に分かりやすく可視化する。作業者が自身の現場に即したリスクを主体的に捉え、質の高いリスク対策を検討できる環境が実現する。
日立プラントコンストラクションが顧客の変電所で実証実験を複数回行った結果、作業者の安全意識が向上し、RKY活動の所要時間が約20%短縮。安全性と効率性の両立が実現できると確認した。
両社は今後、作業者との協働を通じて得られる新たな現場ナレッジを活用し、Naivyの高度化を図る方針。Naivyは、日立のデジタルソリューション群「Lumada 3.0」を体現するアプリケーションとして位置付けられており、建設、電力、鉄道、製造、保守といった多様な産業分野での展開を見込む。これにより、フロントラインワーカーの作業効率向上やウェルビーイング、安全な現場環境の実現に貢献するとしている。
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