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四日市の地下駐車場冠水受け、国交省が直轄駐車場を点検 2カ所で止水板の不具合確認:防災
国土交通省は、記録的短時間大雨で冠水した「くすの木パーキング」事案を受けて全国直轄地下駐車場の止水板点検結果を実施した。
国土交通省は2025年10月7日、三重県四日市市で2025年9月に発生した地下駐車場の冠水事案を受け、全国14カ所の直轄地下駐車場の止水板の点検を実施し、結果を公表した。不具合は2カ所で確認された。
現地確認の結果、愛媛県の「松山地下駐車場」と高知県の「はりまや地下駐車場」の2カ所で、電動式止水板のうち、それぞれ1基に不具合があることが判明した。代替措置として、気象状況に応じて国道事務所で土のうを設置する体制を構築している。
修繕については既に国道事務所で調整済みで、2025度内の修繕完了を予定している。
四日市の地下駐車場で最大3.5メートルの浸水
冠水が発生したのは、三重県四日市市浜田町の「くすの木パーキング」で、2025年9月12日夜に発生した記録的短時間大雨により地下2階が冠水。9月13日から排水作業が始まり、16日には内部調査が実施された。最大浸水深は約3.5メートル。最終的に114台の車両が確認された。人的被害は報告されていない。
また、国土交通省は2025年9月26日、有識者による委員会を設置し、今回の事案を踏まえた再発防止策の検討を開始した。
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