連載
AI×デジタルツインで進化するインフラ点検 枕木劣化を列車カメラで判定など【土木×AI第36回】:“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(36)(1/3 ページ)
デジタルツインとAIを組み合わせることで、現場の維持管理や災害時対応をより効率的にかつ迅速に支援するシステムが開発されています。損傷の影響評価や対策の検討を行うには、損傷の位置や寸法も重要な情報となるため、AIで検出した損傷をデジタルツインと関連付けることが業務の改善につながります。
橋梁点検でデジタル画像とAIを活用した例
文献1では、撮影された橋の画像を下図上のように組み合わせてパノラマ化し、さらに下図中のように正面から見た画像の形に変換しています※1。このような画像は“オルソ画像”と呼ばれ、図面データと重ね合わせて利用することができます※2。AIで検出された損傷もオルソ画像を元にしているので、下図下のように損傷の位置がわかるように重ね合わせて表示できます。
★連載バックナンバー:
本連載では、土木学会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会で副委員長を務める阿部雅人氏が、AIと土木の最新研究をもとに、今後の課題や将来像について考えていきます。
鉄道の木まくらぎ劣化を判定
鉄道の軌道部材の検査や台帳整備などの維持管理業務は通常、保線技術者が現地に出向いて行っています。維持管理を効率化するために、市販のビデオカメラを先頭車両に設置し、車両から前方を撮影した画像によって、鉄道の木まくらぎの劣化を判定するシステムが研究されています※3。
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