建設業務の脱サイロ化を実現、中堅建設業向けにチェプロが統合型ERPの提供開始:建設バックオフィス
チェプロは、原価や工事、営業、電子取引などを一元管理する統合型ERPを、中堅建設業向けに導入コンサルからアフターフォローまでパッケージ化し、「建設WAO Bae クラウド」として発売する。
チェプロは2025年9月29日、中堅建設業向け統合型ERP「建設WAO Bae クラウド」の販売に先立ち専用Webサイトを公開した。建設WAO Baeクラウドは、2008年から大手建設業で展開してきた「建設 WAO」のノウハウを生かし、建設業法に準拠した業務領域の一気通貫処理を実現する。導入コンサルティングから稼働支援、アフターフォローまで3ステップで簡単に導入できる。
建設業法に準拠した業務領域の一気通貫処理を実現
建設WAOは、Webシステムでありながらクライアント/サーバ型システムと同等の快適な操作性と、Web上での高速かつ大量のデータ処理を実現するシステムで、売上高100億円以上の建設業に特化したERPパッケージ。
建設業特有の業務とニーズを熟知し、脱サイロ化を実現することで、業務の効率化、意思決定の敏速化、コスト削減、情報の一元管理と有効利用などができるように開発された。見積もり、原価、工事の情報に加え、営業、生産、販売在庫、債権債務、電子取引などの業務を一元管理する。そのため、業務ごとのバラバラのシステム、情報やデータがシステムごとに孤立し、重複入力の原因やデータ有効活用の障害となっている問題を解決する。
一方で中堅企業では、大手向けERPの導入コストや建設業の業務に合わせるカスタマイズ負担がネックとなり、導入が進みにくい状況にあった。そこでチェプロは、建設WAOのノウハウを中堅企業向けにパッケージ化し、カスタマイズ不要で建設業の業務を網羅したワンパックでの提供を実現した建設WAO Bae クラウドを開発した。
建設WAO Bae クラウドは、建設業法に準拠した業務領域をカバーし、営業から会計までの基幹業務を1つのデータベースで一元管理できる統合型ERP。従来、個別システムで管理されていた各業務を連携し、重複入力やデータ不整合が解消する。システム導入と同時に、営業〜見積〜原価管理〜会計処理や協力会社とのシームレスな電子取引までの一気通貫処理が可能となる。
また、導入までは導入コンサルティング、稼働支援、アフターフォローの3ステップのみで、スムーズに使い始められる。ERP導入時の要件定義や高額な費用負担といった従来の課題を解消する。
インタフェースは、独自のWeb通信インタフェース技術を搭載し、高速レスポンスと優れた操作性を提供する。ハードウェア構成や運用管理もシンプルに構築でき、大量のデータを扱うことの多い建設業でも快適に使える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
第9回 JAPAN BUILD OSAKA:AI活用9%の建設業界に活路 Arentの「アプリ連携型」と「AIブースト戦略」
Arentは、建設業界に特化したDXソリューションを展開する企業だ。2023年には東京証券取引所グロース市場に上場し、建設DXをけん引する存在として注目を集めている。代表取締役社長の鴨林広軌氏は建設DXの本質は「意識せず自然に使えること」とし、建設業で広がらないAI活用に対して、BIMを基盤に対話型生成AIを業務アプリに組み込む独自戦略を打ち出す。メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024:“使える建設DX”とはBIMを核とする「アプリ連携型」 高砂熱学に実装したArentの提言
Arentは、維持管理でのBIM活用を見据え、BIMモデル作成の自動化/省力化に取り組んでいる。そこで必要となるのが、業務を1つのSaaSで一元管理する業務基盤の「ERP型」から、BIMを“共通言語”として複数のツールと連携させ、全工程でデータを流通させる「アプリ連携型」への転換だ。その実装例としては、高砂熱学工業と共同開発した設計・積算・施工・維持管理に関わる9領域を横断する業務支援プラットフォームがある。建設業界でAI活用の可能性は?:Autodeskが建設業界の課題を徹底分析! コスト、人材、サステナビリティの視点と全体最適化が急務
オートデスクは建設業界のさまざまな企業課題を分析し、未来への道筋を示す大規模調査「デザインと創造の業界動向調査2024」を公表した。調査レポートの説明会では、海外企業と日本国内企業の双方の視点から企業経営にまつわる課題を整理し、具体的な解決策となるAutodeskの最新技術を紹介した。特にビジネスレジリエンス向上で必要となるコスト、人材、サステナビリティの3要素に焦点を当て、業界の問題点とその先の可能性を探った説明会の内容を振り返る。Archi Future 2024:高砂熱学や千代田化工と共創開発したArentの「BIM×自動化」で実現する建設DX
「暗黙知を民主化する」を掲げ、建設DXを推進するスタートアップ企業のArentは現在、建設業向けにDXコンサルティングから、システム開発、事業化までのプロダクト共創開発に注力している。高砂熱学工業とはBIMを核に据え、建設生産プロセスのデータを統合したSaaSプラットフォームを構築し、千代田化工建設とはプラントの自律設計ツールを開発した。建設バックオフィス:建設業に特化した会計ERPをチェプロが開発 仕訳から決算処理までの会計処理を一元化
チェプロは、統合型ERP「建設WAO」のサブシステムで、建設業会計に特化した会計ERP「会計WAO」を開発した。仕訳から決算処理までの一連の会計処理が可能で、2025年3月に販売を開始する。勤怠管理:QRコードを読み取るだけで工事別や工種別に勤怠登録、内田洋行ITソリューションズ
内田洋行ITソリューションズは、2024年問題への対応策として、建設業向けクラウド型勤怠管理サービス「UC+キンタイ for PROCES.S」の提供を開始した。現場作業員は、スマホでQRコードを読み取るだけで工事別や工種別に勤怠登録が可能になる。第5回 建設・測量生産性向上展:シミュレーションを超えたFORUM8の建設VR/メタバース活用例
建設の分野でVR活用が進んでいる。しかし、もととなる3Dデータの取得やデータ変換などには機器のコストや作業の時間がかかり、建築や土木分野でのxR活用の妨げとなっていた。