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一体型制気口に対応、風量と室内環境を計測できる複合機能ロボ開発 三機工業:ロボット
三機工業は、空調用吹出口と吸込口が一体化した制気口の風量計測機能と、室内環境の総合計測機能を備えた複合機能計測ロボットを開発した。2025年度内に試験運用を開始する。
三機工業は2025年9月25日、空調用吹出口と吸込口が一体化した制気口の風量計測と、照度などの室内環境を計測できる複合機能計測ロボットを開発したと発表した。2025年度内に試験運用を開始する。
新開発のロボットは、カメラによる画像認識と移動テーブルを組み合わせた位置補正機能を搭載し、計測位置を自動調整することで、高精度な風量計測を実現する。吹出しと吸込み一体型の制気口でも正確な風量計測を可能とした。
また、従来の風量計測に加えて、風速/温度/湿度/照度を一台で計測できる室内環境総合計測機能を搭載し、試運転調整業務を幅広く支援する。
施工図面から計測ポイントを自動設定し、走行から計測、データ転送まで繰り返し実行。計測値はクラウド上で即時共有し、帳票も自動作成されるため、設計者や現場管理者が同時に状況を把握できる。
三機工業は2020年に風量計測ロボットを開発し、運用実績を重ねてきた。今回のロボットは、近年オフィスビルで多く採用されている給排一体型制気口での自動風量計測の他、照度など環境計測への応用による各種現場試運転業務の軽減に対する要望が高まっていたことを背景に開発された。
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