スマホがAR投影も可能なcm級の測量機器に! RTK測量が進化したレフィクシアの「LRTK」:第7回 国際 建設・測量展(2/2 ページ)
建設現場では、3D点群スキャンして施工管理に活用する“デジタルツイン”の活用が広がっている。そうしたトレンドの中でレフィクシアは、スマホをセンチレベルの高精度測量機に進化させる次世代測位デバイスを提案する。3D点群スキャンや土量計算、座標ナビがスマホ1台で完結するだけでなく、AR投影で施工モデルを現実空間に重ね合わせる機能も備える。
高精度な位置情報で作業効率化
高精度の位置情報が得られると、現地で取得した点群データから生成した3Dモデルも鮮明になる。法面の法枠もエッジが明瞭になり、地下の埋設管ではパイプの状態や形状、付随するケーブルの本数なども判別可能になる。
LRTKの専用アプリ「LRTK」では、データ取得後に画面をタッチするだけで距離や面積、体積などを表示するメニューを用意。盛土の体積がその場で一目で分かるため、土の過不足などをすぐに把握し、施工管理の効率化に役立つ。計測データはクラウド上に同期され、リンクを作成して発注者に送れば、ビュワーなしでWebブラウザからデータ共有ができる。
ブースでは、LRTK Phoneの他に「LRTK LiDAR」や「LRTK 360」も展示した。手持ちタイプのLRTK LiDARは、毎秒4万点を取得し、最大測定距離は200メートル。遠くの物体をスキャンできるので、高圧電線などのスキャンに適する。作業中にiPhoneやiPadで取得したデータを確認できるので、撮り漏れを回避し、やり直しの2度手間を防げる。
LRTK 360は、周囲360度の写真を位置情報付きで取得できる軽量の端末。重さは125グラムと軽量で、撮影棒に取り付けて歩きながら撮影できる。撮影した360度写真をLRTKのクラウドにアップロードすることで、撮影位置が地図上に整理されるだけでなく、時系列順に現場写真の並び替えもできるので、過去と現在を比較する定点観測にも使える。みちびきのCLAS対応なので、携帯の電波がない場所でも高精度の測位が可能だ。
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