全館空調採用者と非採用者で玄関や洗面所などの満足度に大きな差、旭化成ホームズ:BAS
旭化成ホームズは、戸建住宅居住者を対象とした「全館空調採用者と非採用者の住環境意識/満足度調査」の結果を発表した。全館空調の採用者は、玄関や洗面所、廊下の温熱環境満足度が非採用者と比べて30ポイント以上高かった。
旭化成ホームズは2025年7月、首都圏の戸建住宅居住者を対象とした「全館空調採用者と非採用者の住環境意識・満足度調査」の結果を発表した。全館空調採用者では玄関や洗面所、廊下の温熱環境満足度が非採用者と比べて30ポイント以上高く、家全体の快適性に大きな差が見られた。
全館空調の採用理由として最も多かったのは「家中が1年中快適な温度に保たれるから」で、51.5%を占めた。次いで「清潔な空気環境の確保」(38.1%)「各部屋の温度差が少ない」(35.1%)だった。
一方、非採用の理由は「設置費用が高い」(49.0%)が最多。次いで「光熱費が高い」(37.0%)「メンテナンスが大変」(31.5%)と、コストや手間に対する懸念が上位を占めた。
住まい全体に対する満足度は全館空調採用者で約95%に達し、「非常に満足」との回答も45.4%と高水準だった。温熱環境への満足度も約80%だった。特に「玄関」「洗面所/脱衣室」「廊下」においては、「非常に満足」と回答した割合が非採用者に比べて30ポイント以上大きい結果だ。「居間/食堂」「台所」「寝室」「浴室」「トイレ」でも、それぞれ25ポイント以上の差が開いている。
また、全館空調の価値として「もっとも当てはまる」と評価された項目は「インテリアデザインの邪魔をしない」(43.3%)。次いで「清潔な空気環境が確保できる」(42.3%)だった。「非常に当てはまる」「やや当てはまる」の合計では、「家中が一年中快適な温度に保たれる」が82.5%で最多となった。一方で「光熱費の抑制」や「乾燥しにくい」といった項目では否定的な意見が比較的目立った。
調査期間は2025年2月6日から13日までで、東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県に在住する過去10年以内に戸建て住宅を新築した30〜79歳の男女297人が回答した。うち97人が全館空調の採用者、200人が非採用者だった。
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