建設関連業の登録状況、測量業は21年連続で減少 コンサル/地質調査は横ばい傾向続く:調査レポート
国土交通省は2024年度末時点の建設関連業の登録業者数を公表した。測量業は1万1140業者で21年連続減少。建設コンサルタントは3930業者、地質調査業は1221業者で、横ばい傾向が続いている。
国土交通省は2025年8月22日、2024年度末時点の建設関連業の登録業者数を公表した。測量業は21年連続で減少し、建設コンサルタント業と地質調査業は横ばい傾向が続いている。
測量業は21年連続で減少 小規模事業者が多数を占める
2024年度末の測量業の登録業者数は1万1140業者で、前年度から173業者、1.5%減少した。新規登録は283業者、登録消除は456業者だった。登録業者数は2003年度末の1万4750業者をピークに、21年連続で減少した。
資本金別では、「1000万円以上2000万円未満」が34.1%で最多となり、次いで「1000万円未満」が33.7%だった。個人と資本金5000万円未満の法人は全体の90.6%で、小規模事業者が多数を占めた。
兼業状況は、測量業のみを登録する専業業者は8187業者で全体の73.5%。建設コンサルタントとの兼業は2115業者で19%、地質調査業との兼業は72業者で0.6%、3業種全てに登録している業者は766業者で6.9%だった。
建設コンサルタント業は微減、登録部門は道路が最多
建設コンサルタント業の登録業者数は3930業者で、前年度から2業者、0.05%減少した。新規登録は170業者、登録消除は172業者。業者数は2005年度末の4214業者をピークに、284業者減少している。
資本金構成では、「1000万円以上2000万円未満」が44.4%で最多、次いで「2000万円以上5000万円未満」が28.8%だった。5000万円未満の法人と個人を合わせると、全体の78.1を占める。
登録部門別では、道路が1744業者、鋼構造およびコンクリートが1353業者、河川、砂防および海岸/海洋が1208業者、土質および基礎847業者、農業土木762業者の順で多かった。
登録業者のうち1部門のみ登録しているのは1818業者で46.3%を占め、2部門登録は718業者で18.3%、3部門登録は465業者で11.8%だった。登録部門の累計総数は1万473件で、1業者あたりの平均は2.66部門。技術管理者は合計1万473人で、技術士や一級建築士などの資格保有者が9021人で86.1%、国土交通大臣の認定を受けた者は1452人で13.9%となった。
兼業状況は、建設コンサルタント業のみを登録している専業業者は976業者で24.8%。測量業との兼業は2115業者で53.8%、地質調査業との兼業は73業者で1.9%、3業種全ての登録は766業者で19.5%だった。
地質調査業は1221業者、兼業比率が6割超
地質調査業の登録業者数は1221業者で、前年度から9業者、0.7%減少した。新規登録は17業者、登録消除は26業者だった。業者数は2005年度の1390業者をピークに、169業者減少している。
資本金別では、「2000万円以上5000万円未満」が38.9%で最多、次いで「1000万円以上2000万円未満」が36.3%。個人および資本金5000万円未満の法人の割合は78.5%に達した。
兼業状況では、地質調査業のみを登録している専業業者は310業者で25.4%。測量業との兼業は72業者で5.9%、建設コンサルタント業との兼業は73業者で6.0%、3業種全てを登録している業者は766業者で62.7%だった。
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