1000kgまで運べる半自動搬送ロボのレンタル開始 アクティオが大林組、坂井電機と開発:ロボット
アクティオは、大林組、坂井電機と共同開発した搬送ロボットのレンタルを開始した。ゲームパッドで遠隔操作し、最大1000キロまでの建材などを運べる。ジャッキアップ機能を備え、アルミ台車に潜り込み、荷物の積み替えなしで台車ごと搬送できる。
アクティオは、大林組、坂井電機と、リモコン操作で重量物を搬送できる半自動の搬送ロボット「ストローダー」を開発し、2025年7月1日からレンタルを開始した。
ジャッキアップ機能を搭載、台車の下に入り込んで運搬可能
大量の資材や機材を運ぶ建設現場では、搬送作業の省力化や省人化が求められている。しかし、無人搬送車は磁気テープのような誘導体が必要な機体が多く、状況が日々変化する建設現場には向かず、自律走行の搬送ロボットは、運行管理や維持管理にコストがかかってしまうという課題があった。
このような建設現場での搬送業務の課題を踏まえ、大林組が開発してアクティオと坂井電機が製品化したのがストローダーだ。ロボットはゲームパッドを採用した無線コントローラーで誰でも簡単に操作可能なため、重い建材などでも作業員1人だけで搬送できる。フォークリフトなどの運転資格がなくても扱えるので、人手不足の解消にも役立つ。
車輪には、全方向360度に移動できるメカナムホイールを採用した。フォークリフトが入っていけない狭い通路も走行可能で、その場での旋回に加え、斜面や段差も乗り越え、機動力が高い。ジャッキアップ機能も備え、全高170〜230ミリのため、建設現場でよく使用されているアルミの四輪台車の下に潜り込み、持ち上げて搬送できる。その場合、荷物の積み替えが不要になるため、作業員の負担が大幅に軽減される。
本体寸法は760(幅)×170〜230(高さ)×1090(奥行き)ミリで、重さは270キロ。最大積載荷重は1000キロ。最大速度は毎秒38メートルで、登坂確度は6度、走行可能段差は20ミリ。稼働時間は連続4時間までで、充電は専用充電器を使えば3時間で完了する。
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