ネットワークカメラの映像からAIが不安全行動を自動検出、飛島建設:安全衛生
飛島建設とアクシスウェアは、作業所のネットワークカメラ映像から不安全行動を検出するAIシステムを共同開発した。2024年8月以降、既に4カ所の作業所でネットワークカメラ計7台を先行導入している。
飛島建設とアクシスウェアは2025年7月17日、作業所に設置したネットワークカメラ映像を活用し、不安全行動を検出するAIシステムを共同開発したと発表した。新システムは、AIを活用して作業現場の安全/品質/工程管理を支援する「AI現場監督」の新機能として提供する。
不安全行動検出AIシステムは、市販のネットワークカメラの映像を基に、「トラック荷台でのよじ登りと飛び降り」「脚立/可搬式作業台の不適正使用」を自動で検出する。専用のハードウェアは不要で、カメラの設置方向を調整するだけで運用できるため、導入の手間やコストを抑えられるのが特徴だ。2024年8月以降、既に4カ所の作業所でネットワークカメラ計7台を先行導入しており、今後も順次拡大する予定だ。
今後は検出対象を段階的に拡充
新システムは、作業所のネットワークカメラ、AI推論実行、結果確認Webアプリから成る。蓄積したカメラ映像から、人物やトラック、脚立などの対象物を検出し、姿勢や位置関係といった特徴量を抽出。これらの特徴量を基に、不安全行動を学習するマルチモーダルモデルを構築した。
システムはリアルタイム検出ではなく、前日に蓄積された映像を夜間にAIが推論処理し、翌朝には結果を確認できる仕組みだ。朝礼やKY活動などで前日の作業の反省と安全意識の向上に活用している。
Webアプリでは、不安全行動の検出結果の他、種類や発生件数推移をグラフで表示できる。各現場の安全意識の傾向分析や、AIの検出精度を評価/改善する仕組みも備える。
今後は、開口部付近での危険行動やヒヤリハット検知への対応、巡視/パトロール時のリアルタイム検出機能の追加など、検出対象を段階的に拡充し、安全管理の高度化を図る方針だ。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
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