清水建設が生成AIアシスタントを全社導入 建設現場や各部門で2000人超が活用中:AI
清水建設は、東京大学発AIスタートアップのLightblueが開発した生成AIアシスタントサービスを全社導入した。
東京大学発AIスタートアップのLightblueは2025年7月4日、生成AIアシスタントサービス「Lightblue Assistant」が清水建設に全社導入されたと発表した。実現場でのトライアルの結果を踏まえて2025年4月から本格運用を開始し、業務効率化を図る。
首都圏建設現場でのトライアル導入を経て、全社導入へ
Lightblue Assistantは社内活用に特化したAIアシスタント。BoxやGoogle Driveなどのさまざまなデータソースと連携し、RAG(検索拡張生成)機能を標準装備として備え、必要な情報の検索や文書生成が迅速に行える。業務特化型のチャットbot作成も可能で、幅広い業務に生成AIを活用できる。マイアシスタント機能では、部門ごとの業務改善や知識特化アシスタント開発にも対応する。
清水建設は社内機密情報を安全に扱うため、シングルサインオン(SSO)機能強化や運用機能面でのメリットを考慮してLightblue Assistantを選定。2024年4月には技術文書アシスタントの作成支援、同年7月には首都圏の建設現場でトライアル導入を開始した。現場からのフィードバックをもとに改良を重ねてきた。
現場でのトライアルでは膨大な施工要領書や基準書などをRAGで瞬時に検索/参照できる「技術文書アシスタント」を開発。検索時間短縮の効果が得られることを確認し、若手への知識継承が促進される可能性があることなどから全社導入を決定した。
2025年5月以降、説明会やハンズオンセミナーを実施し、すでに2000人以上の社員が利用している。今後も希望者に順次展開するとともに、好事例の共有やハッカソンなどを通じて利用拡大を目指す。また、部門別の独自アシスタント開発/運用を想定し、より強固なセキュリティ体制と柔軟な運用を進める。
Lightblueは引き続き、清水建設のデジタルゼネコンへの進化をサポートするとともに、生成AI活用により、建設業界における従業員のスキルアップとDX推進を後押していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
製品動向:ゲートウェイ一体型Wi-Fi機器+AIアシスタントで現場管理支援、西松建設
西松建設は建設現場の通信環境構築とデータ管理の効率化を目的とした新システム「PicoNect」を開発した。FM:MODEとugoが業務提携、現場巡回/点検の自動化など推進
MODEとugoは業務提携を締結した。MODEの統合IoTプラットフォーム「BizStack」と業務DXロボット「ugo」を連携させ、現場業務の自動化や省人化、データ活用の高度化を推進する。AI:生成AIで住宅間取りを自動設計 「生成AI住宅」プロジェクトをLib Workがカナダのベンチャーと開始
Lib Workは、生成AIで日本市場に適合した住宅の間取りや3Dパースを自動生成するAIプラットフォームの開発に乗り出した。生成AIのベースには北米の住宅自動設計で実績のあるMaket TechnologiesのAIモデルを応用し、日本固有の建築基準法や地域ごとの規制にも対応させる。AI:IoTの五感と映像の目、「マルチモーダルAI」の頭脳を持つ次世代の現場監視 MODEがキヤノンMJ、セーフィーと提携
建設現場の遠隔監視が生成AIへの話し言葉で可能になるMODEの「BizStack Assistant」。現場向け映像カメラサービスに強みがあるキヤノンマーケティングジャパンとセーフィーとの技術提携により、両社のカメラで取得した映像も、異なる種類のデータを扱える“マルチモーダルAI”で、発話での呼び出しや画像解析が可能になる。製品動向:騒音を除去し、必要な音声だけを届けるコミュニケーション端末「BONX Stick」を発売
NTTソノリティとBONXは、NTTの特許技術「Magic Focus Voice」を搭載し、周囲の騒音を除去して、相手に発話者の声をクリアに届けるコミュニケーションデバイス「BONX Stick」を発売した。作業中の建設現場でも快適な通話が可能になる。生成AI:IoTプラットフォーム「BizStack」とAIアシスタント「BizStack Assistant」がNETIS登録
MODEのIoTプラットフォーム「BizStack」とAIアシスタント「BizStack Assistant」が、国土交通省のNETISに登録された。