生成AIで住宅間取りを自動設計 「生成AI住宅」プロジェクトをLib Workがカナダのベンチャーと開始:AI
Lib Workは、生成AIで日本市場に適合した住宅の間取りや3Dパースを自動生成するAIプラットフォームの開発に乗り出した。生成AIのベースには北米の住宅自動設計で実績のあるMaket TechnologiesのAIモデルを応用し、日本固有の建築基準法や地域ごとの規制にも対応させる。
Lib Workは2025年3月25日、先進的な生成AI技術を有するカナダのMaket Technologiesと共同で、生成AIを活用した住宅設計の自動化プロジェクトを開始したと発表した。
住宅設計の自動化プロジェクトは、Lib Workが保有する膨大な住宅図面データをMaket TechnologiesのAIプラットフォームに学習させ、日本市場向けの間取り自動生成サービスを開発する計画だ。
日本の住宅設計プロセスに最適化されたAIプラットフォームを構築
日本の住宅業界では設計業務の属人化、労働力不足、建築コストの増加が顕著になっている。従来の住宅設計は、設計士の経験やノウハウに依存する部分が大きく、設計の標準化や効率化が進みにくい。さらに、建材費の高騰や市場競争の激化により、住宅メーカーは設計・施工コストを最適化しながら、より迅速で柔軟な提案が求められている。
そこでLib Workは、Maket Technologiesとのパートナーシップを通じて、生成AIを活用し、日本市場に特化した高度な住宅設計ソリューションを提供する。将来は、フォトリアルな3Dデザインや建築コスト試算、エネルギー効率を自動計算するなど一括でサポートする「日本版生成AI住宅プラットフォーム」の開発を見据えている。
Lib Workの生成AI 住宅とは、AIを活用して自動的に設計される住宅。従来の設計手法と異なり、AIに蓄積されたデータやアルゴリズムを用い建築基準や土地の区画や形状、顧客の要望に適した最適な間取りを瞬時に生成。生成した間取りをデザインパターンに登録すると、自動でリアルな3Dパースを作成する。
また、設計士や営業担当者向けに、AIアシスタントが最適な設計案をリアルタイムで提示する機能も搭載。今後は、AIが施工コストをリアルタイムで試算し、デザインや建材などで建築コストの最適化を提案する機能も拡充する。
システム自体の開発は2025年の完了を予定しており、実証実験を経て正式にローンチする。その後、住宅メーカーや施工業者向けにLib Workによる日本国内のOEM販売で提供する。
Maket Technologiesは、北米市場で建築設計に特化したAIプラットフォームを運用し、AIによる間取り生成、3Dデザイン、コスト試算の分野で高い技術力を有する。その技術は、2019年に設立された先進的な生成AIプラットフォーム「Maket」の独自AIモデルによって支えられている。ディープラーニングの世界最大の学術研究機関「Mila-Quebec AI Institute」とのパートナーシップのもとで開発した。
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