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山岳トンネルの自動施工を試行、2025年度は4件で実施 国交省:i-Construction 2.0
国土交通省は、山岳トンネル工事の省人化施工を目的に、自動施工技術を活用した試行工事を4現場で実施する。
国土交通省は2025年6月24日、山岳トンネル工事の省人化に向けて、自動施工技術などの活用を促す試行工事の入札手続きを順次開始すると発表した。施工の自動化による生産性や安全性の向上を目指す「i-Construction 2.0」の取り組みの一環として実施する。
2025年度(令和7年度)の試行対象工事は、北海道開発局の「一般国道229号 島牧村 新穴澗トンネル工事」、中部地方整備局の「令和7(2025)年度 1号藤枝BP 原トンネル工事」、四国地方整備局の「令和7-11(2025-2029)年度 安芸道路安芸トンネル工事」、九州地方整備局の「国道218号 越次トンネル新設工事」の4工事。
これらの現場で、自動施工技術を活用した省人化施工の技術提案を募る。試行を通じて、自動施工技術活用に関する実施要領や積算基準などの技術基準類を整備し、現場での活用や技術開発の促進につなげる。
発注方式は総合評価落札方式の「技術提案評価型SI(エスイチ)型」を採用。この方式では、品質や環境、安全性、生産性の向上や新技術/工法などの導入につながる提案を評価対象とする。試行事業では、各作業での遠隔施工も含む自動施工技術による省人化に関する提案を求める。提案対象の作業範囲は、同一年度内で共通の内容を設定する予定。
また、できるだけ多くの技術を試行する目的で、技術向上提案テーマごとに全国での受注実績のない企業に加点評価を行う仕組みも導入。幅広い事業者の参加を促す。
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