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再生新聞紙の断熱材、住宅1棟分で杉の木154本相当のCO2吸収 デコスが炭素固定量を発表:脱炭素
デコスは、新聞紙を主原料とするセルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」の炭素固定量を算出した。住宅1棟当たりの使用量では、約1356.4キロ分の炭素固定が可能だという。
デコスは2025年5月、新聞紙を主原料とするセルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」の炭素固定量を算出したと発表した。国内の建築用断熱材では初めての算出になるという。
デコスファイバーは、再生新聞紙を約80%使用した木質繊維系断熱材(セルロースファイバー断熱材)だ。断熱性だけでなく、調湿性や吸音性、防火性などにも優れ、熱(溶解/乾燥)、水(洗浄/冷却)なども一切を使用せず、電気エネルギーのみを用いて製造し、他の断熱材に比べ製造時のエネルギー消費量が圧倒的に低いのが特長となっている。
紙製品の炭素含有率を35%とした場合、1袋(15キロ)当たり約16.955キロの炭素を固定できる計算。住宅1棟当たりの使用量では約1356.4キロ分の炭素固定が可能となり、40年生の杉の木に換算すると、154.13本が1年間に固定するCO2量に相当する。
グラスウール24K比では、建設時のCO2排出量を約56%削減できる。加えて、製造工程では熱や水を使用せず電気エネルギーのみを用い、製造時のエネルギー消費量も他の断熱材に比べて低い。さらに、エコリーフ認証も取得し、発表によるとエコリーフ認証の取得は国内の建築用断熱材で唯一だという。
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