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ロボット工学第一人者の石黒浩氏と長谷工の“生きている家” 現代人が失った自然の気配を五感で感じる暮らしスマートハウスの概念を変える家(4/4 ページ)

長谷工コーポレーション初のコンセプトハウスとなる感性を取り戻す住まい「ivi house」が、細田工務店や多数のクリエイターの協力を得て、東京都杉並区で完成した。コンセプトは、ロボット工学の第一人者で知られる大阪大学大学院 教授の石黒浩氏が考案。暮らしの中で自然と調和する生命を宿した家を、現代の先端技術と建築の融合で具現化した。

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五感を刺激する身体性を考慮して設計

デザインスタジオKiQ Founder & CEO 菊地あかね氏。人間の立ち振る舞いに関する「所作学」の専門家でもあり、石黒浩氏とはアンドロイドの所作を共同研究している
デザインスタジオKiQ Founder & CEO 菊地あかね氏。人間の立ち振る舞いに関する「所作学」の専門家でもあり、石黒浩氏とはアンドロイドの所作を共同研究している 筆者撮影

 2階のリビングは、ダイニング、キッチンへと空間が連続し、時間帯や季節に応じて環境音と光が常時包み込み、家族が落ち着いて過ごせる。

 空間演出と人の動きとなる所作のデザインを担当したクリエイティブディレクターの菊池氏は、「光や香りなどのインタフェースを作ることで、五感を刺激する身体性を考慮。リビングもなるべく直線を廃し、体が自然に導かれるような所作のフロア構成をイメージした」と解説する。

 自然光を取り込む採光窓の周囲もR形状で、家全体の石こうボードや壁紙は職人が工夫を凝らして曲面施工したという。

夜間のリビング照明
夜間のリビング照明 提供:長谷工コーポレーション
採光窓(左)、四角い装置が朝と夜で香りが変わる2階リビングのアロマディフューザー(右) 筆者撮影

 2階LDKから屋上バルコニーで行き来する離れに設けた6畳ほどの書斎は、ひとりで静かに集中したいとき、思索を巡らしたいときに最適な場所。トイレも併設し、石黒氏によると「トイレで考え事をする時間が快適になるように」と、外の風景が見える小窓を設置した。

書斎(左)、トイレの小窓(右) 筆者撮影
屋上バルコニーと書斎
屋上バルコニーと書斎 提供:長谷工コーポレーション

 長谷工コーポレーションの堀井氏はivi projectで想定している住宅購買層について、「ivi houseはプロトタイプの位置付けだが、最終的には売却する方針だ。ターゲットは都心に住む、自然や和の空間に感度の高いアッパークラス層。今後は、マンションでもiviブランドとして展開を見据えている」と展望を明かした。

「ivi house」
「ivi house」 提供:長谷工コーポレーション

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