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清水建設、国内の全新規着工現場に100%再エネ電力を導入:カーボンニュートラル
清水建設は国内で今後新たに着工する全ての工事現場で使用する電力を、100%再生可能エネルギーに切り替える。将来は海外プロジェクトやグループ会社の現場にも再エネ調達を拡大する方針だ。
清水建設は2025年4月16日、国内で今後新たに着工する全ての工事現場で、使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替えると発表した。2030年度までに建設工事に伴う電力由来のCO2排出量をゼロにし、2023年度比で約6万トン削減する計画だ。
清水建設はこれまでも、本社で一括購入したグリーン電力証書の活用や現場ごとの再エネ電力プラン契約などにより、工事現場のグリーン電力化を進めてきた。しかし導入率は工事現場数で3割強、総使用電力量で2割弱にとどまっている。
今後は導入の対象を全新規着工現場に拡大する。さらに導入費用を工事原価負担とすることで、社員の環境意識向上も図る。将来は海外プロジェクトやグループ会社の現場にも再エネ調達を拡大する方針だ。
清水建設は2050年までに、事業活動に伴うCO2排出を実質ゼロにする目標を掲げている。目標達成に向けて、自社の作業所とオフィスからの排出量削減に加え、設計・施工建物の運用時のCO2排出削減も推進している。電力のグリーン化と並行して省エネ化を図る技術/構工法の開発を推進し、多角的にCO2の削減に寄与していく。
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