大東建託が「生成型AI課長」導入 AIが土地オーナ向け訪問営業のロールプレイング:AI
大東建託は、AIを用いた同社独自のシステム「生成型AI課長」を開発した。営業活動に必要な知識やスキルを効率的に習得するためのロールプレイング教育ツールで、シナリオを用意せずに、土地オーナーの年齢、関心、性格などに基づきAIが営業担当者の営業提案に応対する。
大東建託は2025年4月、AIを用いた同社独自のシステム「生成型AI課長」を開発し、導入を開始した。
AI技術で営業担当者の育成を支援し、提案の質やスピードを向上
生成型AI課長は、営業活動に必要な知識やスキルの習得を目的にロールプレイング教育ツールとして開発したAI研修システムだ。2024年10月には、土地オーナーの自宅訪問を想定し、あらかじめ準備したシナリオに沿って商談手法を学ぶ「台本型AI課長」を先行導入している。
今回の生成型AI課長はシナリオを用いない。土地オーナーの年齢や性格、興味、関心などに基づきAIが応対。営業担当者は土地オーナーのさまざまな反応から要望や心理を把握することで、実践的な対応スキルを習得できる。
また、会話を介した情報収集や関係構築を評価して助言する機能も搭載。営業職としてのスキルアップに寄与し、土地オーナーへの提案の高品質化や迅速化を図る。
大東建託はこれまでAI課長を導入し、営業担当者が時間や場所の制約を受けずに個々のペースで学習できる環境を提供し、効率的かつ自主的に学ぶ意識の醸成を目指している。同時に、先輩社員が指導や相談に費やしていた時間や労力を軽減する効果も見込んでいる。
生成型AI課長は“生成型AI”の第1弾となり、初めての顧客訪問時の場面を想定した。2025年4月以降には、再訪問や会社説明、提案といったさまざまな場面に対応するシステムを順次開発する。
将来は、過去の営業活動での成功事例をベースに、AIが具体的な行動計画を提案する機能開発なども見据えている。
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