建設現場からビル管理までロボットが働きやすい建物へ 東急建設と東京都市大:ロボット
東急建設と東京都市大学は、東京都市大学横浜キャンパスに建設する新研究棟において「人協調型ロボティクス」の社会実装に向けた共同研究開発を開始する。
東急建設と東京都市大学は2025年3月13日、建築物に適用する「人協調型ロボティクス」の社会実装に向けて共同研究開発を開始すると発表した。建物をロボットが動作しやすい「ロボットフレンドリー環境」として設計/実装する技術の確立を目指す。
共同研究開発では東京都市大学の横浜キャンパスに建設する新研究棟に、ロボットフレンドリー環境の基本機能として、ロボットとエレベーターが連携する機能や、ロボット用のIoT無線ネットワークを導入する。
IoTネットワークは建設工事段階から実装し、現場のセンシングや建設ロボットの通信ネットワークとして活用。さらに、現場には建設用ロボットの他、パワーアシストスーツも導入し、作業員のモニタリングとロボットとの連携による生産性向上を図る。
竣工後は、照明や空調などの建築設備とロボットを連携させる「建物OS」を導入し、スマートビルとして運用する。人とロボット、建物が連携したサービスを建物OS上のアプリケーションとして提供し、ロボットによる屋内の自動巡視や清掃、ビルの機械室の遠隔監視など、生活空間で人協調型ロボティクスを活用したユースケースの実現を目指す。
東急建設は、人協調型ロボティクスを活用するサービスの立案や、BIMによる各種サービスに必要なロボットフレンドリー環境の設計/実装、建設作業を支援する人協調型ロボティクスの運用技術開発などを担う。また、東急建設と東京都市大学は共同で、ロボットとエレベーター連携機能の実装手法の確立、建物HCPS融合のロボットサービス用API/アプリケーションの開発を行う。
東急建設は共同研究開発で培ったロボットフレンドリー環境の設計/実装技術を活用し、建物の新しい価値を提供することを目指す。一方、東京都市大学は横浜キャンパスに建設したロボットフレンドリーな新研究棟を活用した研究活動や人材育成を促進する。
今回のプロジェクトは内閣府主導の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」において、東急建設と東京都市大学が提案した「住宅・ビル等の人協調型ロボティクスの社会実装技術開発」が採択されて実施する。
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