広島市紙屋町の「大同生命広島ビル」が大林組の施工で完成 外観に素焼き調タイルを採用:プロジェクト
大同生命保険が広島県広島市中区紙屋町で、建設を進めていた14階建てオフィスビル「大同生命広島ビル」が完成した。日建設計の設計、大林組の施工で、制振部材を組み込み高い耐震性を備える他、外観は格式高いテラコッタ(素焼き)調タイルのクラシカルな意匠とした。
T&D保険グループの大同生命保険は2025年3月5日、広島県広島市中区紙屋町1丁目で開発を進めていた「大同生命広島ビル」が竣工したと公表した。
広島市のメインストリートの相生通りに面し、広島県庁をはじめとする官公庁や金融機関が集まるエリアに位置する地上14階建てのオフィスビル。快適な執務環境を支える最新の設備や非常用発電機を搭載し、高い環境性能も備え、「ZEB Oriented」認証などの環境認証を取得している。
高い環境性能を備える最新オフィスビル
所在地は広島県広島市中区紙屋町1丁目2番27号の敷地面積863.91平方メートル。建物規模は鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)地下2階地上14階建てで、延べ床面積は1万208.34平方メートル。基本設計は日建設計、実施設計と施工、監理は大林組。
建物はコア部分に制振部材を組み込み、高い耐震性を確保している。停電時には72時間の電源供給が可能な非常用発電機を装備するなどのBCP対策を講じている。
基準階オフィスはフロア約458平方メートルの無柱空間を有し、自由なレイアウトを実現。分割時も全区画で採光を確保し、フロア貸から分割貸まで多様なニーズに対応する。
外観は格式高いテラコッタ(素焼き)調タイルを纏(まと)ったクラシカルなデザインとし、内装は温かみのある意匠に仕上げ、エントランスには紙屋町の歴史に由来する紙をモチーフとした折り紙風のタイルが明るい空間を演出する。
環境配慮では、脱炭素社会の実現に向け、建物内で使用する全電力を実質再生可能エネルギー由来100%としている。設備仕様は、全館でLED照明を採用し、人感センサーや自動調光制御の導入し、省エネルギー化を実現。また、断熱性能や遮断性能が高いLow-E複層ガラスも導入し、空調ゾーニングを工夫して冷暖房効率の向上を図っている。
建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」で、最高ランクの5つ星を取得し、オフィスフロアの基準一次エネルギー消費量を44%削減することで「ZEB Oriented」を達成。他にも、広島市が運用する建築物環境配慮制度「CASBEE 広島」で、高い環境性能を示すAランクを取得し、「DBJ Green Building 認証」でも優れた「環境/社会への配慮」がなされた建物に付与される3つ星の認証を得ている。
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