クレーン事故の瞬間をVRで体験、安全意識の向上図る シンフォニア:xR
シンフォニアは、古河ユニックと共同開発した「小型移動式クレーンVRトレーニング」のアップデートコンテンツとして、VR空間で自らの操縦による事故体験ができる「事故事例による危険体験」を公開した。作業の安全を確保するための適切な手順を学ぶとともに、事故の怖さを体感することで、作業者の意識改革を目指す。
xRコンテンツの開発を手掛けるシンフォニアは2024年12月16日、古河ユニックと共同開発した「小型移動式クレーンVRトレーニング」のアップデートコンテンツとして、VR空間で自らの操縦による事故体験ができる「事故事例による危険体験」を公開したと発表した。
VR事故体験の第1弾として「アウトリガー張り出し不足による事故事例〜荷台から滑り落ちてきた鉄骨に挟まれた事故事例〜」をリリースした。実際に発生した事故事例をもとしたシナリオで、VRでの再現にあたっては、細部の描写を古河ユニックが監修している。従来の「見るだけ」の事故体験ではなく、クレーン操縦の過程で事故を体験することで、準備不備や危険操作がどのようにして重大なリスクにつながるかを実感できる。作業の安全を確保するための適切な手順を学ぶとともに、事故の怖さを体感することで、作業者の意識改革を目指す。
シンフォニアは2024年6月、VR内で実機のようなリアルな操縦トレーニングが行える「小型移動式クレーンVRトレーニング」の提供を開始。初心者でも安全に、現実の操縦に限りなく近いVRトレーニングを行える点が評価され、物流業界や建設業界を中心に利用されている。
新たに公開した危険体験のコンテンツでは、まず、作業者がどのようなシチュエーションかを提示。今後追加される事故シナリオごとに、作業を行う場所や積み荷、他の作業員の有無などが変化する。
作業者はラジコンを使用してVR内で荷の積み下ろし作業などを実施する。一部危険な作業があり、時間がなく焦っていたり、危険と認識せずに作業を進めたりすると、事故が発生し、その瞬間の衝撃をリアルに体験できる。
事故発生後は、なぜ事故が起きたかを振り返る。第三者視点で操縦シーンを見ながら、どこに問題があったか解説を聞くことで、事故シーンを追体験し、安全手順の必要性を再確認できる。
今後は実際に発生した事故事例を題材に、年間3〜4本のさまざまな要因による事故体験コンテンツを追加していく。VRによる事故事例体験はサブスクリプション型のオプションとして展開し、今後追加する事故体験コンテンツも含め全てサブスクの月額費用内で利用できる。
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