鹿島建設が技能者向けポイントサービス導入、KY活動記録提出率が改善 リバスタ:現場管理
鹿島建設はリバスタの建設技能者向けポイントサービス「ビルダーズポイント」を導入し、KY活動記録のオンライン提出率向上や、施工管理サービスへの作業予定入力率の改善につなげた。
リバスタは2025年3月18日、建設技能者向けポイントサービス「ビルダーズポイント」の導入により、鹿島建設の新築工事現場で、KY(危険予知)活動記録のオンライン提出率や施工管理サービスへの作業予定入力率が改善した事例を公開した。
ビルダーズポイントは、元請会社の裁量で独自のポイントプログラムを構築できるサービス。安全講習や清掃などのイベントへの参加、改善活動やヒヤリハット報告、入場記録など、任意に設定した条件に応じて技能者へポイントを付与する。技能者が受け取ったポイントは、電子マネー(PayPayマネーライト)に交換して加盟店で利用できる。
鹿島建設では、現場でのKY活動記録を電子化し、オンラインで提出する「ペーパレスKY」を実施している。しかし北海道支店 ベルーナ札幌ホテル新築工事現場では、技能者からのペーパレスKY提出率が約70%と提出漏れが発生していることが課題だった。また、建設現場施工管理サービス「Buildee(ビルディー)」への作業予定入力についても、催促をしないと入力率が上がらない状況が続いていた。
そこでビルダーズポイント導入し、顔認証による現場入場、ペーパレスKYの実施、Buildeeへの作業予定の入力の全てを所属する協力会社の技能者全員が実施した場合、技能者1人につき1日500ポイントを付与する運用を開始。この結果、ペーパレスKY提出率は90%に改善し、Buildeeへの入力率は100%となった。
ベルーナ札幌ホテル新築工事事務所 所長 有江暢亮氏は「ポイント付与により、現場の技能者のモチベーションが向上したのではないかと想像している。今後は業務改善だけではなく、その時々の課題や社会的な要求に合わせて柔軟にポイント付与の仕方を工夫し、より効果的な方法を確立していきたい」とコメントした。
また、東北支店 仙台中央三丁目開発事業新築工事でもビルダーズポイントを導入。顔認証による入場の際に自動付与する他、安全大会への参加、ヒヤリハット報告、各種アンケート回答の協力などに対してもポイントを付与する。ヒヤリハット報告に関しては所長が報告内容を確認した上で個別にポイントを設定。また、一部業務面でもポイントを活用し、鉄骨建方の実施が難しい状況になった際に、協力してくれた技能者に対してポイントを付与を実施した事例もある。
技能者からは「給料以外でこういったポイントをもらえるのはやる気にもつながる」「ヒヤリハットの報告でポイントが付与されるため報告のモチベーションにつながり、多くの報告が集まることでより安全な現場へと変わる点がとても良い」などのコメントが寄せられている。
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