業務標準化やナレッジ共有を支援する施工管理サービス、リバスタが開発:製品動向
リバスタは、建設現場の業務標準化やナレッジ共有/活用、ノウハウ継承を支援する施工管理サービス「GENBATON」を、大林組の協力を得て開発した。2024年秋の一般販売開始を予定している。
リバスタは2024年5月9日、建設現場の業務標準化やナレッジ共有/活用、ノウハウ継承を支援する新たな施工管理サービス「GENBATON(ゲンバトン)」を、大林組の協力を得て開発したと発表した。2024年秋の一般販売開始を予定し、今後、複数のゼネコンとGENBATONの活用/導入に関する協議と検討を進める。
第1弾は、書類管理、出来高/歩掛管理、施工計画
第1弾のサービスは、書類管理、出来高/歩掛管理、施工計画の3業務領域が対象で、大林組は2024年4月から順次、全国の新規建築現場にGENBATONを導入している。また、第2弾として、施工図管理の試行版の開発が完了しており、大林組で試行中だ。
GENBATONは、「業務標準化」「ナレッジ共有/活用」「ノウハウ継承」の3つをコンセプトに掲げる。
業務標準化では、建設現場ごとに異なる手順やルールなどの標準化を支援し、経験の浅い社員や派遣社員が現場着任後に早期戦力化することを目指す。関係者間での業務連携や各業務の実施状況や情報、データの共有により、調整/協議/フォローなどのコミュニケーションを活発化させ、全体的な生産性向上と各工事の遅延の抑制を図る。
また、経験豊富な社員でも、未経験の建物用途や、工種、工法、現場固有の特殊条件に直面すると、類似現場の資料を探して参考にしたり、その分野で経験豊富な上司に指導を仰いだりして、過去の経験に基づくナレッジ入手に時間と手間を要している。GENBATONはこれらのナレッジを蓄積し、各現場で共有/活用できる仕組みを構築する。
ノウハウの継承には対面で直接伝える手段が効果的だが、現場での施工管理や打ち合わせなどにより社員間の予定が合わないなど、対面でノウハウを伝える時間の確保が難しい状況にある。経験に基づくノウハウを口頭、実地で伝承することは意識しつつ、GENBATONに蓄積されるデータ/ナレッジを活用して、関係者に広く、より効率的にノウハウを継承できる仕組みを構築する。
GENBATONはリバスタのクラウド型建設現場施工管理サービス「Buildee」との連動が可能で、Buildeeの利用者は登録済みの企業情報やユーザー情報、現場情報、施工体制情報などの各種データをそのままGENBATONに連携できる。新たなサービス利用のための初期設定やマスター登録、ユーザーID発行/普及などの手間を削減できる。
Buildeeは2017年4月のサービス開始以来、主力の作業間連絡調整システム「Buildee調整会議」を筆頭に、415社の元請会社、1万7200件の現場で導入されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カーボンニュートラル:建設特化のCO2排出量算出サービス「TansoMiru(タンソミル)」の提供開始、リバスタ
リバスタは、建設業界向けのCO2排出量算出、可視化クラウドサービス「TansoMiru」の提供を開始した。第1弾の「TansoMiru管理」では、CO2排出量を現場単位で可視化し、集計結果を支店や会社単位でレポーティングできる。建設業界に一石を投じるICTインターンシップ:千葉の地場ゼネコン「旭建設」が“新卒の離職率ゼロ”にできたワケ
千葉県内で地域密着型の建築工事を展開する「旭建設」が企画している学生向けインターンシップ。学生で参加した直近4年の新入社員は、現時点で離職率ゼロだという。地場ゼネコンが若年層にどのように建設業の魅力を伝え、人材確保につなげているか、ワークスモバイルジャパンなどの建設ICTベンダーも参画する業界では珍しいインターンシップを取材した。建設キャリアアップシステム:建設キャリアアップシステム(CCUS)運用5年で登録技能者124万人 PC不要のロギング機能も導入
建設業振興基金の「建設キャリアアップシステム(CCUS)の運営状況」によると、建設技能者の登録者数は124万1884人で、年々普及しているものの、2019年の運用開始時に目標とした5年後には全技能者約324万人にCCUSカード発行という目標には届いていない。現場管理:竹中工務店の「位置プラス」シリーズがカナモトと西尾レントオールで取扱いを開始
竹中工務店の位置情報を活用して建設現場の業務効率化を図るアプリ「位置プラス」シリーズの提携レンタル会社に、カナモトと西尾レントオールが加わった。カーボンニュートラル:建設業向けCO2排出量計測管理サービスの開発に着手、大成建設とリバスタ
大成建設は、リバスタとともに、既存のCO2排出量計測管理に関するノウハウと豊富な現場データを活用した「建設現場で発生するCO2排出量の計測管理サービス」の開発に着手した。今後、両社は、CO2排出量管理サービスの開発を行い、大成建設の建設現場への導入と評価を経て、リバスタから製品として販売し、業界に広く展開するとともに、継続して当該サービスの機能強化を進めていく予定だ。ICT:国内の全現場で「Buildee」を用いて作業打ち合わせ業務をデジタル化、西松建設
西松建設は、リバスタが提供するクラウドサービス「Buildee調整会議」を活用した電子承認機能の標準化や帳票のペーパーレス化、作業打ち合わせ会議のリモート化を、国内の全現場でスタートした。今後は、Buildeeに入力した作業実績データ(作業内容、人工など)を出来高計算や死傷統計などの報告業務に利活用することで、生産性の向上を図っていく。- ビジネスチャット「direct」が“現場のプラットフォーム構想”で各種ソリューションと連携強化