ベビーカーを押したまま横向きで出入りできるマンション用エレベーター、パナソニックEVが4月発売:製品動向
パナソニック エレベーターは2025年4月1日から、小規模のマンション用エレベーター「リベルタージュロングUi」の受注を開始する。ルーム内の奥行きが1390ミリに伸び、保護者とベビーカーが縦列で出入りできる。
パナソニックホールディングスは2025年4月1日、グループ会社のパナソニック エレベーターが、小規模共同住宅用エレベーター「リベルタージュロングUi」を発売すると発表した。希望小売価格は540万円(税別)。
ルーム内奥行きを従来比で約1.2倍に広げ、1390ミリを実現
リベルタージュロングUiは、ルーム内の奥行きが従来製品の1150ミリから240ミリ拡大し、保護者がベビーカーを押して縦列で出入りできる1390ミリとなった。同社によると小規模共同住宅用エレベーターでは業界最長になるという。
定格積載量は250キロ(3人)。ルーム内の開口サイズは850ミリ、高さは2000ミリ。昇降行程が最大13メートル、停止数は最多4カ所となっている。
駆動方式に巻胴式を採用し、昇降路の最小寸法を1300×1565ミリに抑えた。6人乗りの業務エレベーターとルーム内の広さはほぼ同等となっている。平面だけでなく、断面的にも省スペースとなっており、建物の間取りや設計の自由度が向上している。
建物への荷重も少ないため、木造建築物にも直接設置できる。深い基礎工事やエレベーター専用の鉄塔も不要で建築コストの低減に寄与する。
乗り場ドアには、中から外、外から中が見やすい100(幅)×700(高さ)ミリの窓、インターフォンを最下階に標準搭載。階数や昇降方向を示すインジケーター付操作盤をルーム内や乗り場に備えている。子育て世帯や高齢者の方に限らず、あらゆる年代が快適に使用できる仕様としている。
ドアカラーは9柄を展開し、既存品にはなかった純白系の「しっくいホワイト」、グレーで落ち着きのある「パールグレー」、マット仕上げによる深みのある黒の「ソイルブラック」も新たに用意した。
ライン型のLED間接照明を用いたデラックス天井もオプションで導入可能。ライン型LEDは、停電時にエレベーターが最寄り下方階まで運転する際も、通常時と同じ明るさで点灯する。
昨今、住宅の価格高騰や少人数世帯の増加を背景に、賃貸住宅に住み続ける人が増えおり小規模な賃貸住宅でもエレベーターを設置するケースが増加している。また、パナソニック エレベーターのアンケート調査によると、エレベーターがあると助かることとして圧倒的に多かったのが、重い荷物を運ぶときで59.2%、また、大きな家電や家具を購入もしくは廃却する場合では31.8%と高い値を示した。
こうした背景を踏まえ、2024年8月1日にリリースした小規模共同住宅用エレベーター「リベルタージュUi」の奥行きを約1.2倍に広げたリベルタージュロングUiを発売するに至った。
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