KDDIがエレベーターメーカー5社とロボットプラットフォームの接続試験で合意、ロボットとEVを一元管理:ロボット
KDDIとKDDI総合研究所は、独自に開発した多様なロボットの一元管理が可能なロボットプラットフォームと、大手エレベーターメーカー5社のエレベーター用クラウドとを接続する試験を行う。
KDDIとKDDI総合研究所は2023年3月16日、メーカーや用途を問わず多様なロボットをクラウド上で一元管理する「ロボットプラットフォーム」と、国内5社のエレベーターメーカーのクラウドとの接続試験を行うことで合意した。合意した5社は、東芝エレベータ、日本オーチス・エレベータ、日立ビルシステム、フジテック、三菱電機ビルソリューションズ
ロボットとエレベーターの制御を一元管理
少子高齢化により省人化が求められ、さまざまな産業でのロボット活用が期待されている一方で、利用環境や業務オペレーションの多様化がロボット導入の妨げとなっている。利用環境に関する優先課題の1つには、ロボットとエレベーターの連携がある。現状、ロボットがエレベーターなどのビル設備を用いてビル内を移動する際、メーカーや用途といったロボットの種類ごとにエレベーターと接続しなければならない。
ロボットプラットフォームは、オープンソースのロボット制御ソフトウェアと開発基盤の「ROS(Robot Operating System)」に対応するロボットであれば、連係動作やロボット同士の衝突回避なども含めて一元管理できる。接続されたロボットは、ロボットの通信品質、走行状態、現在地、電池残量などの情報取得に加え、ビル管理者がロボット動作を指示して、配送、清掃、見回りなどのさまざまなロボット業務をプラットフォーム上から行える。
また、プラットフォームは、エレベーターだけでなく、セキュリティゲートなどのさまざまな建物設備と接続するため、設備メーカーにとっても、プラットフォームを利用するビル管理者や利用者と継続的に接点を持つことが見込め、フロー型ビジネスからリカーリング型ビジネスの転換など、ビジネスモデルの変革にも貢献する。
なお、今回の合意によって行われる接続試験は、ロボットのエレベーター移動可否を検証し、実施時期は2023年春以降の予定。
KDDIとKDDI総合研究所は今後、パートナーとの実証を重ねながらプラットフォームが接続可能な建物設備を順次拡充し、ロボットの活用によるDXの加速で日本の労働力不足の解消に貢献していくと表明している。
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