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山岳トンネル自動施工技術、国交省が直轄工事で試行:i-Construction2.0
国土交通省は2025年度から、山岳トンネル省人化施工の試行工事を開始する。直轄工事で3件程度を予定し、試行を通して実施要領や積算基準などの技術基準類を整備する。
国土交通省は2025年度から、山岳トンネル施工のオートメーション化を推進するため直轄工事での試行を開始する。試行を通じて、自動施工技術活用に関する実施要領や積算基準などの技術基準類を整備。現場への導入や技術開発を促進することで、トンネル工事の生産性向上と安全性確保の両立を目指す。
建設業界では労働者の減少や技能継承などが課題となっており、トンネル施工においても高齢化や熟練者の不足が進行している。また、トンネル切羽箇所では支保工建込や装薬作業時の肌落ち災害が多発しており、自動施工技術などの普及/促進による省人化や安全性向上が求められていた。
国交省は建設現場の生産性向上を目的に、2016年度からICT施工をはじめとする「i-Construction」を推進し、2024年度からは自動施工や遠隔施工を柱とする「i-Construction2.0」へと発展させてきた。自動施工の導入検討はこれまで、ダム現場や大規模土工現場で進みつつあったが、2025年度から新たに、山岳トンネルの省人化を目的とした自動施工技術の活用促進を実施することを決定。2025年度は3件程度の試行を行う予定だ。
総合評価落札方式「技術提案評価SI型」での発注を予定し、「省人化施工試行工事(トンネル)」として入札公告に明示する。受注実績のない企業を評価することで、多様な省人化/自動施工技術を試行する予定だ。
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