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AIがトンネル壁面画像から変状判定、要注意箇所を現場に投影 鉄道総研:スマートメンテナンス
鉄道総合技術研究所は、トンネル壁面画像をもとに変状発生箇所をAIで抽出し、トンネル全体の健全度を判定すると共に、重点的に調査すべき要注意箇所を現地の壁面に投影して調査を効率化する新システムを開発した。
鉄道総合技術研究所は2025年3月6日、鉄道トンネル検査の効率化と省人化を目的に「壁面画像を用いた検査支援システム」を開発したと発表した。画像をもとに変状発生箇所をAIで抽出し、トンネル全体の健全度判定を行うと共に、調査が必要な要注意箇所を現地の壁面に投影して調査業務を効率化する。
検査支援システムは、「変状抽出・健全度判定アプリ」と「要注意箇所投影装置」の2つの技術で構成される。変状抽出・健全度判定アプリは、AIがトンネル壁面の撮影画像から漏水などの変状発生箇所を90%以上の精度で自動的に抽出/記録する。また、変状発生箇所の抽出結果を判定マトリックスに当てはめてトンネル壁面の健全度を判定。従来の検査員による撮影画像の判定に比べ、変状抽出/健全度判定に要する時間を50分の1以下に短縮可能となった。
要注意箇所投影装置は、アプリが抽出した変状箇所のうち、重点的な調査が必要な箇所を現場で正確に特定する。トンネル断面形状や走行量に応じて投影するメッシュ形状をリアルタイムで補正できるアルゴリズムを構築。走行量に連動してメッシュがスクロールし、要注意箇所を赤く塗りつぶして投影することで、位置特定を容易にした。打音調査に要する時間を2分の1以下に削減できるという。
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