38階建てオフィスビル「虎ノ門アルセアタワー」竣工、URが虎ノ門で2.3haの再開発:プロジェクト(2/2 ページ)
虎の門病院や国立印刷局、共同通信会館を含む虎ノ門二丁目の再開発でオフィスビル「虎ノ門アルセアタワー」が大成建設の施工で竣工した。地上38階建て延べ18.6万平方メートルで、5〜38階にエリア最大級となるオフィス、1〜3階に業務支援施設や商業施設を整備する。
全体で約7500m2の緑化面積を確保
2階のデッキでは、周辺の虎ノ門駅方面や虎ノ門ヒルズ駅方面、溜池山王駅方面、ホテルオークラ方面と接続し、歩道の拡幅も含め、土地の高低差、広幅員の幹線道路、不整形な交差点による回遊性の支障、歩行者空間の不足など歩行者ネットワーク上の課題を解消する。
災害対応では、官庁など防災業務の中心となる施設と同程度の耐震性能を確保し、停電に備えて非常用発電機とコージェネレーションシステムが作動して、電力を供給する。万が一、中圧ガスが断絶したときもオイルタンクにより168時間(7日間)の非常電力で供給する。また、虎の門病院との一体的な開発なことを生かし、防災ヘリポートやトリアージスペースの確保など災害対応機能を拡張することで、都内最高レベルの約1万4000平方メートルの災害時治療/収容拠点とする。
緑化では、隣接する赤坂インターシティAIRから続く、「赤坂・虎ノ門緑道」を延伸し、広場も配置して、港区道第1014号線沿道に約4500平方メートルの緑化空間を創出する。デッキや屋上緑化、壁面緑化も加えると事業地区全体で約7500平方メートルの緑化面積となる見込み。
環境認証では、事務所部分で「ZEB Oriented」、「CASBEE建築(新築)」Sクラスを取得している。
虎ノ門二丁目の再開発全体は、国際水準の医療を提供する虎の門病院の機能を停止することなく、隣接する敷地と一体的かつ段階的に施設を更新していく。都市基盤施設整備も含めると15年以上の長期にわたり整備が続くことになる。
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