排ガス規制適合の130t吊りオールテレーンクレーン、加藤製作所が販売開始:GX建機
加藤製作所は、欧州排出ガス規制適合のエンジンを搭載した130トン吊りオールテレーンクレーンの販売を開始した。標準小売価格は税別1億8000万円から。
加藤製作所は2025年2月28日、欧州排出ガス規制(欧州Stage V)に適合した130トン吊(つ)りオールテレーンクレーン「KA-1300R」の販売を開始したと発表した。環境配慮型エンジンをキャリヤ(下部走行体)に搭載した他、安全性と作業性も向上させている。
エンジンには最新の欧州排ガス規制に適合したDaimler製を採用。尿素SCRとDPFの一体型後処理装置を新たに導入し、DPFが粒子状物質(PM)を集積/除去することで、すすの粒子排出を大幅に低減させる。国土交通省の「超低騒音型建設機械」の指定も取得した。
クレーン本体には、高剛性の6段フルパワーブームを採用した。最大吊上げ能力は130トン、最大ブーム長は52メートル、最大作業半径は48メートル、最大地上揚程53メートル。4段SLジブは、最大吊上げ能力7.0トン、最大ジブ長26.6メートル、最大作業半径58メートル、最大地上揚程79.6メートルまで対応する。
安全機能では、側方衝突警報装置を新たに標準装備した。レーダーで左側方の自転車、歩行者などを検知し、左折時に衝突の恐れがある場合には警報音やランプ点灯で運転手に注意を促す。また、独自開発の5軸クレーン専用キャリヤを搭載。走行安定性を確保する電子制御リヤステアリングシステムと、全輪フルエアーディスクブレーキを装備した。
KA-1300Rの標準小売価格は1億8000万円(税別)から、販売価格は装備などによって異なる。年間20台の販売を目指す。
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