麻布台ヒルズ入居企業など24社の協力で“ウェルビーイングに資するデータベース“構築:産業動向
慶應義塾と森ビルは、働く人の心身の健康やウェルビーイングに資するデータベースの構築を開始した。2024年度は麻布台ヒルズの入居企業を中心とした24社の協力を得て、心理的/身体的な健康情報や生活習慣、働き方などに関する情報を収集してデータベース化に取り組む。
慶應義塾と森ビルは2024年11月14日、働く人の心身の健康やウェルビーイングに資するデータベースの構築を開始したと発表した。2024年度は麻布台ヒルズの入居企業を中心とした24社の協力を得て、心理的/身体的な健康情報や生活習慣、働き方などに関する情報を収集してデータベース化。健康づくりに関する社会的な提言につなげるとともに、新たなヘルスケアサービスの創出にも活用する。 2025年度以降は調査規模を拡大し、最終的には都心で働くオフィスワーカー約1万人まで対象を広げる。
慶應義塾と森ビルは2021年4月、あらゆる人が生涯にわたりウェルビーイングを実現できる社会を目指す「慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療/ウェルネス共同研究講座」を開設した。麻布台ヒルズ内の慶應義塾大学予防医療センターと連携し、先進的な予防医療に関連する研究開発を行うとともに、研究成果を社会に還元することを目的としている。今回の研究はその一環として実施する。
研究協力者は年に1回、社会経済的因子、ワークエンゲージメントやウェルビーイングの指標、心理的/身体的な健康情報に関する80項目のWebアンケート調査に回答する他、身体の健康状態を表す医学的なデータとして、定期健康診断の結果を提供。一部の協力者からは、最新のウェアラブルデバイスを使用した活動、睡眠、血糖、血圧なども収集し、多様なデータがひもづけられたデータベースを構築する。
慶應義塾と森ビルは麻布台ヒルズを健康づくりのモデル地区と位置付けている。構築したデータベースの活用を通じてテナント企業の健康経営促進をはじめ、健康づくりに関する社会的提言、産学連携による新たなヘルスケアサービスの創出などに取り組み、社会課題の解決に役立てる。
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